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ハリルJがアンカー型の中盤を確認、麻也「考え方はシンプル」

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 日本代表は13日、埼玉県内で練習を行い、16日のW杯アジア2次予選・シンガポール戦(埼玉)に向けて調整した。練習の最後は非公開でセットプレーの確認を行ったが、それ以外は報道陣に公開され、10対10のゲーム形式のトレーニングではバヒド・ハリルホジッチ監督が何度もプレーを止め、細かく攻守の戦術を確認した。

 GKを除くフィールド選手20人が2チームに分かれての戦術練習。主力組と見られるグループは、11日のイラク戦(4-0)に先発したメンバーとまったく同じ10人が赤色のビブスを着用した。最終ラインは右からDF酒井宏樹、DF吉田麻也、DF槙野智章、DF長友佑都と並び、前線は右からFW本田圭佑、FW岡崎慎司、FW宇佐美貴史。中盤もMF長谷部誠、MF柴崎岳、MF香川真司の3人で、イラク戦と同じ顔触れだったが、その位置関係が異なっていた。

 イラク戦は長谷部と柴崎のダブルボランチに香川がトップ下という構成だったが、この日の練習では長谷部がアンカー気味に低い位置を取り、香川と柴崎が高い位置で横並びとなった。3月31日のウズベキスタン戦(5-1)でも、後半開始からDF水本裕貴をアンカーに置く戦術変更で後半の4ゴールを生み出したハリルジャパン。この日のトレーニングも明らかにシンガポール戦を見据えたものだ。

 練習後、報道陣の取材に応じた吉田はハリルホジッチ監督から明確なシステム変更の指示はないとしたうえで、「トップ下が(香川)真司一人だと、真司が毎回顔を出さないといけない。(左右に香川と柴崎が)一人ずついたほうが、サイドチェンジのボールが来たときにも出しやすいかなと思う」と、その意図を推察した。

 格下相手の試合が続くW杯アジア2次予選。勝利が至上命題の戦いの中で、引いた相手の守備ブロックをこじ開けていく必要もある。フォーメーションに攻撃的なメッセージを込める指揮官はセンターバックにも攻撃の指示を送っている。

「奪ったあとのところで、前の何人かを置き去りにするようなパスは意識させられている。流れの中でセンターバックが一気にフォワードに当てるのは難しい。奪ったあとが一番、チャンスになる」。相手の守備陣形が整う前にカウンターを繰り出す一発のロングパス。守備を固める相手を攻めあぐねる時間帯も予想されるだけに、わずかな隙も見逃すわけにはいかない。

 攻撃だけでなく、守備面での狙いもある。ダブルボランチの4-2-3-1の布陣を敷いた控え組に対し、インサイドハーフ2人が相手のダブルボランチ、アンカーが相手のトップ下を見る形となり、守備の役割分担もよりハッキリする。吉田は「はめ込んでいるので、人にしっかり付けばいいだけ。中盤を1対1にしてはめ込んでいるので、考え方としてはシンプル」とうなずいた。

(取材・文 西山紘平)

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