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ハリルも認めた「理想」のゴール、武藤が2戦連発で大会得点王に

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[8.9 東アジア杯 日本1-1中国 武漢]

 MF武藤雄樹(浦和)が史上29人目の代表デビュー弾を決めた2日の北朝鮮戦に続いてゴールを決め、出場試合2戦連発を記録。史上6人目となるデビューからの2試合連続ゴールで大会得点王にも輝いた。

「勝たないと意味がない」と喜びも半減といった表情だが、2試合連続ゴールの印象はやはり強い。しかもこの日のゴールは、バヒド・ハリルホジッチ監督が「私たちが理想とするゴールだった」と称賛するものだった。

 高い位置を取っていたDF槙野智章のスルーパスにDF米倉恒貴が抜け出し、ワンタッチでグラウンダーのクロス。ニアサイドに飛び込んだ武藤が右足ダイレクトで合わせた。「縦に速い攻撃」だった。

 北朝鮮戦でもDF遠藤航のクロスに対してニアサイドでワンタッチゴール。いずれも所属の浦和で決めているゴールの形だ。初代表でも持ち味をいかんなく発揮するあたりに、今後の可能性を大いに感じさせる。

 惜しかったのは、後半26分のチャンスだ。FW永井謙佑、FW興梠慎三が高い位置からのプレスでボールを奪い、MF山口蛍が武藤にヒールパス。勢いよくドリブルで持ち込み、右足を強振したが、GKに1対1で阻まれた。

 交代を告げられたのはその数分後。まだ余力があるように見えただけにもったいない交代にも映った。武藤自身、「僕としてはもう1点を狙っていたけど、監督から(動きが)落ちたというように見えたのは、悔しさを感じる。90分を通して質の高いプレーをしていかないといけない」と、歯噛みする交代ではあった。

「浦和で結果を出すことで代表に近づいたという思いがあったし、こうやって代表に来てプレーして、自分でもできるという手応えを感じている」。鮮烈なデビューを果たした“ミスター・ワンタッチ”が、代表定着を誓った。

(取材・文 矢内由美子)

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