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調子良過ぎで反省!? MF井手口“ガツガツ守備”で存在感

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[8.7 リオデジャネイロ五輪 B組第2節 日本 2-2 コロンビア マナウス]

 持ち味を存分に発揮した。コロンビア戦で初先発を果たしたリオデジャネイロ五輪日本代表MF井手口陽介(G大阪)は、鋭い読みを生かして相手攻撃の前に幾度となく立ちはだかり、激しい寄せでボールを強奪して危機の芽を摘み取り続けた。

 30日に行われた国際親善試合ブラジル戦では、反省しきりだった。「自分の持ち味を発揮できなかった。むやみにボールを取りにいくときと、取りにいかないときの判断をしなければならないと痛感した」。

 しかし、コロンビア戦では“行くとき”と“行かないとき”の絶妙の判断で中盤の広範囲をカバーし続ける。“行くとき”の相手にガツガツと寄せる守備で存在感を示すだけでなく、“行かないとき”の一つ先のプレーを読み切ったようなポジショニングからのボールカットでも相手攻撃を寸断した。

 そして素早い攻守の切り替えで前線まで飛び出して、攻撃に厚みも加える。後半4分には左サイドのFW浅野拓磨(アーセナル)に展開すると、自らはゴール前に飛び込み、浅野のシュートのこぼれ球に反応。だがシュートはGKに阻まれて得点を奪うことができず、「負けられない試合で0-0だったし、自分が結果を出してチームに貢献したかった」と悔しさを滲ませた。

 そして「やられている印象はなかった」と手応え得ていた守備でも悔いを残すことになった。後半14分、コロンビアが左サイドから展開したボールをFWテオフィロ・グティエレスが受けようとすると、「先読みした」井手口が猛然とボールを奪い取ろうと前に出る。しかし、入れ替わられたグティエレスにその流れからネットを揺らされて先制点を献上してしまった。

 調子が良かったからこそ、「自分のところで取ったろうという気持ちが前に出過ぎたし、ボールを取れていたので取れると思ってしまった部分もあった」と反省。「ゴール前では先読みし過ぎずに、じっくりやることも必要」と新たな課題が見つかったことで、「しっかり反省して、次の試合につなげていきたい」とさらなる成長を誓った。

(取材・文 折戸岳彦)

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