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アジア杯の二の舞御免…森重が語るUAE対策のポイントは「集中力」と「裏のケア」

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 9月1日のW杯アジア最終予選・UAE戦(埼玉)、6日の同タイ戦(バンコク)に臨む日本代表は30日、埼玉県内で合宿3日目のトレーニングを行った。この日からMF清武弘嗣(セビージャ)とFW原口元気(ヘルタ・ベルリン)の2人も合流。初めて全24選手で調整した。

 アジア杯の二の舞は演じない。昨年1月のアジア杯準々決勝・UAE戦。立ち上がりの前半7分に一発のロングフィードで最終ラインの背後を突かれ、先制点を許した。後半36分に追いついたが、1-1のまま延長戦でも決着つかず、PK4-5で敗戦。立ち上がりの失点が重くのしかかり、5大会ぶりのベスト8敗退に終わった。

 この試合に先発していたDF森重真人(FC東京)は「集中力の問題。そこが大きい。DFライン全員、前のボランチともしっかり声をかけ合いながらやりたい」と、まずは試合の入り方に注意したうえで、「裏のケアが一番。最近の失点や(アジア杯の)UAE戦の失点もそこの対応の問題だった」と指摘する。

 アジア杯のUAE戦ではシンプルなロングボールでDFラインの裏を狙われ、たびたびピンチを招いた。10番のオマル・アブドゥルラフマンについてはハリルホジッチ監督も「彼をフリーにしてしまうと、どうなるか。10m離れたら、彼は好きなところにボールを送ってくる」と警戒。オマル・アブドゥルラフマンがボールを持ったとき、スピードのあるFWアリ・マブフートとFWアハメド・ハリルが即座にスペースへ動き出すのがUAEの必勝パターンだ。

 森重自身、「(オマル・アブドゥルラフマンは)どんな体勢でもパスが出せる選手。味方もそれを信じて走っている」と、すでにアジア杯で実体験済みだ。「DFとしては、前もって予測しておけば、いい対応ができる」と、UAEの攻撃を封じ込めるイメージはできている。

「7番(アリ・マブフート)と11番(アハメド・ハリル)はスピードがあるし、10番(オマル・アブドゥルラフマン)がボールを持ったときの前線の選手の動き出しには良いものがある。そこにしっかり対応したい。10番が持ったときに前線のFWが動き出すことをイメージしておけば、早めの対応ができる」

 森重にとっては初のW杯アジア最終予選。「いい緊張感があるし、何かしらアクシデントが起こるのは過去の歴史を見てもそう。自分のプレーだけでなく、レフェリーを含め、しっかり心の準備をして臨みたい」と表情を引き締める。

 今回はポジションを争うDF槙野智章(浦和)がケガで不在ということもあり、森重とDF吉田麻也(サウサンプトン)のコンビが先発するのは間違いない。練習前のランニングでは常に先頭を走るなど、森重の中でもチームの中心選手としての自覚や責任感が強まっているように見える。

 追加招集されたDF丸山祐市(FC東京)はもちろん、元FC東京のDF太田宏介(フィテッセ)、FW武藤嘉紀(マインツ)がそろってメンバー入りし、「にぎやかになったなと思う」と笑った森重。「代表で(太田)宏介やよっち(武藤の愛称)と会えるのはうれしい。お互いに近況報告をしたり、お互いのプレーを見て感じることもある。いいライバルでもあり、いい仲間だと思う」と、程よい緊張感の中でも落ち着いた精神状態でいるようだった。

(取材・文 西山紘平)

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