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旅立ち目前のU-16日本代表、アジア想定の練習試合を辛くも制す

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 9月15日に開幕するAFC・U-16選手権(インド)に向けて茨城県内で最終合宿を張るU-16日本代表は9日、鹿島アントラーズユース水戸ホーリーホックユースの2チームと練習試合を行った。

 鹿島との第1試合には主力組が出場。GKに谷晃生(G大阪ユース)、DFは右から菅原由勢(名古屋U18)、瀬古歩夢(C大阪U-18)、監物拓歩(清水ユース)、喜田陽(C大阪)が入り、中盤の中央には平川怜(FC東京U-18)と主将の福岡慎平(京都U-18)両翼のMFには久保建英(FC東京U-18)、上月壮一郎(京都U-18)、前線では中村敬斗(三菱養和SCユース)と宮代大聖(川崎F U-18)の二人がコンビを組んだ。

「最終予選前最後のゲームなので、勝って気持ち良く(インドに)行こう」(瀬古)と選手同士で言い聞かせていたという日本は、Bチームの鹿島に対して序盤から主導権を握って押し込む流れとなった。8分には菅原のパワフルな右サイド突破からのクロスを中村がフィニッシュ。これはGKに阻まれたものの、同じ右サイド攻撃から26分に先制点が生まれた。「外に流れればフリーになれると思った」という中村が、右に開いてボールを受けて仕掛ける。突破してのクロスに宮代が競ったこぼれ球を、ボランチの福岡がダイレクトボレーで蹴り込んで、日本が先手を取った。

 後半に入っても日本ペースは変わらなかったが、鹿島GK木戸裕貴の好守にも阻まれてなかなか追加点を奪えない。押し込みながらも一瞬の隙をつかれてのピンチもあり、攻守に締まった内容ながら、課題も残ることとなった。森山佳郎監督はこの苦戦を「前線から相手を誘導してボールを奪うことをやらせてくれない戦いになった。アジアのようで(シミュレーションとして)良かった」と前向きに評価した。

 続く水戸ユースとの第2試合は控え組中心の編成で、DF小林友希(神戸U-18)、関川郁万(流通経済大柏高)、FW棚橋尭士(横浜FMユース)の3名が負傷欠場のため、水戸啓明高からFW永井宏典、MF佐藤響、DF吉田有佑の3選手が助っ人参加。「(急造チームとなり)難しい面もある」(森山監督)中での試合となった。

 まずは開始10分、MF鈴木冬一(C大阪U-18)のクロスにFW山田寛人が合わせて先制点を奪う。27分に水戸MF中川洋介に同点弾を許すも、直後の29分にまたも鈴木のアシストから山田が決めて、勝ち越し。31分にこちらも再び中川に同点ゴールを許すも、37分に鈴木が得意のドリブルからのミドルシュートを突き刺して、勝ち越しに成功。しかし、後半29分に3度目の同点ゴールを許し、結局3-3の引き分けに終わった。

 サイドの守備で本番ならば絶対に許されないゆるさが出るなど反省点の多い試合だったが、負傷明けの山田が確かな存在感を示したのは好材料となった。山田本人は「復帰して90分(出場するの)は初めてだったけれど、得点できて良かった」と一安心の様子で、森山監督も「山田は大きなオプションになる」と手ごたえをつかんだようだった。

 チームは11日に日本から飛び立ち、決戦の地インドへ降り立つ。ここに来て負傷者が続出してしまっているのはやや不安要素だが、「チームの雰囲気は本当にいい」とMF瀬畠義成(JFAアカデミー福島U18)と言い、森山監督が「練習から気持ちが入ってやれている」という心理面での充実があるのはポジティブな材料。「今は緊張とかプレッシャーじゃなく、『早く試合をやりてぇな』という気分」だと笑う熱血指揮官の下で、U-16日本代表が世界切符を懸けた戦いへと旅立つ。

[写真]鹿島ユース戦、MF福岡が右足で決勝点を決める

(取材・文 川端暁彦)
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