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試合勘、コンディション…不安視する声を見返したい香川「結果で証明するだけ」

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日本代表合宿に合流したMF香川真司

 6日のW杯アジア最終予選・イラク戦(埼玉)、11日の同オーストラリア戦(メルボルン)に臨む日本代表は3日、埼玉県内で合宿2日目のトレーニングを行った。この日からMF香川真司(ドルトムント)、MF長谷部誠(フランクフルト)、FW原口元気(ヘルタ・ベルリン)、FW浅野拓磨(シュツットガルト)、DF酒井高徳(ハンブルガーSV)、DF太田宏介(フィテッセ)、GK川島永嗣(メス)の欧州組7人のほか、前日2日にJ2リーグ戦のあったMF山口蛍(C大阪)が合流。雨が降りしきる中、計20人で調整した。

 残るFW本田圭佑(ミラン)、FW岡崎慎司(レスター・シティ)、DF長友佑都(インテル)、DF吉田麻也(サウサンプトン)、DF酒井宏樹(マルセイユ)の欧州組5人は明日4日に合流予定。試合2日前に全員がそろう強行日程で、かつ欧州組の多くが所属クラブで苦しんでいる。週末のリーグ戦に先発したのは原口、長谷部、酒井宏、酒井高の4人のみ。香川、岡崎、長友は途中出場で、本田、吉田、太田、川島、MF清武弘嗣(セビージャ)に出場機会はなかった。

 香川は前回の代表戦後、クラブでの公式戦7試合のうち2試合に途中出場しただけ。この1か月間で出場時間は46分にとどまっている。それでも「今は我慢。自分自身が悪いわけじゃない。それ以上に新しい選手が結果を出しているし、結果を出している選手が(試合に)出るのは当たり前」と現状を受け入れつつ、「自分もチャンスをうかがっている。シーズンは始まったばかりだし、慌てることはない」と、過度に悲観はしていない。

 とはいえ、香川に限らず、日本代表の主力である本田、岡崎、長友、吉田らが同じように出番に恵まれず、コンディションや試合勘に不安を抱えているのは確か。ハリルジャパンの置かれた状況を不安視する声も多いが、「ネガティブになる必要はない。海外組が試合に出ていないということでネガティブに捉えられがちだけど、僕らは結果で証明するだけだし、そのサポートをしてほしい」と、ファンやメディアに呼び掛けた。

「こんなに試合をやっていないのは初めて」と認める一方、「こういう状況は多々あったし、乗り越えていけばいい」と強気に言い放つ香川は「週2回、試合があると、(フィジカルコンディションを)上げたくても、なかなか(負荷を高めて)上げられない。ただ、現状はチャンスがないなと思って、プラスしてトレーニングもしてきた」と、コンディションに不安はない。

 最終予選初戦となった9月1日のUAE戦は1-2の敗戦。現行方式となった98年フランスW杯以降、過去5大会のアジア最終予選で初戦が黒星だったチームはすべて予選敗退に終わっている。“W杯出場確率0%”という不吉なデータも悲観的な雰囲気の要因になっているが、「負けてスタートを切ったので、前回の予選とは反対だけど、そこが唯一の違いで、それ以外は変わらない」と気に留めない香川。「この2試合に勝てれば大きいし、まずはホームでイラクに勝ってオーストラリアに行ければ」と、目の前のイラク戦に集中した。

(取材・文 西山紘平)

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