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髪切った浅野、ホームで露呈した「自分のメンタルの弱さ」を吹っ切り敵地へ

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イラク戦の翌日練習で汗を流したFW浅野拓磨

 不完全燃焼だった熱戦から一夜明けた7日、FW浅野拓磨(シュツットガルト)はサブ組と共にボールを使った練習で汗を流した。「試合前に(髪を)切りたかったけど時間がなかった。試合後になっちゃった」と、散髪した姿でオーストラリアに乗り込む。

 9月6日のタイ戦(○2-0)ではアジア最終予選初先発を果たしたが、イラク戦ではベンチスタートに逆戻り。後半30分にFW岡崎慎司(レスター・シティ)に代わって最前線に送り込まれた。

 先月、タイ戦後にドイツに戻ってからは、所属クラブで4試合連続で試合に出場し、3試合に先発。試合勘やコンディションに不安はなかった。ロシアを目指す次世代FWとして、Aマッチ49得点を記録するストライカーから「一日でも早く奪わないといけない」とポジション奪取を狙おうと闘志を燃やしていた。

 しかし、終了間際には立て続けに決定機が訪れながらも、シュートまで持ち込めず。「昨日もチャンスで決めていればアピールになって、次につながった。ああいうところで決め切れないのが今の自分の実力。レベルアップしないとポジションは奪えない」。2戦連続のゴールを決められなかった悔しさを滲ませながらも、凛とした表情で意気込みを語った。

 最終予選特有のホームの熱気にも圧倒された。「すごい雰囲気で、海外とはまた違うホームの特別さ、大事な試合での重みを感じた。平常心ではなく、どちらかというと緊張してしまった」。9月1日のUAE戦(●1-2)でまさかの黒星発進。ホームで勝ち点3以外は許されない期待と圧力を一身に浴びたことで、新たな課題も浮き彫りになった。「ホームの方が決めないといけない気持ちになる。そこは自分のメンタルの弱さが目立ってると感じる」。

 その一方で、アウェーには苦手意識がないという浅野。「あまり緊張はしない。観衆を沈めてやろうという気持ち」と不敵にほほ笑む。「ホームで結果を残したい」という野心は来月に持ち越し、まずは11日のオーストラリア戦で存在感を示す。

(取材・文 佐藤亜希子)

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