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森重が警戒するスーパーサブは過去8戦5発の“日本キラー”

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メルボルンでの初練習で笑顔を見せるDF森重真人

 敵地でのオーストラリア戦を前に、日本代表DF森重真人(FC東京)は同国史上最高FWであるティム・ケーヒル(メルボルン・シティ)に最大限の警戒を払った。

「FWは途中から入る選手が多いポジションでもあるので、センターバックとしては90分通して出場する選手よりも短時間でその特長を捉えなければならない」

 名前こそ明かさなかったが、「途中から入る選手」がケーヒルを指しているのは間違いない。ケーヒルは今回のW杯アジア最終予選で過去3試合、いずれもベンチスタート。9月6日のUAE戦(1-0)は0-0の後半25分から途中出場し、その5分後に決勝点を決めた。今月6日のサウジアラビア戦(2-2)も2-2の同点に追いつかれたあとの後半40分から途中出場。スーパーサブとして存在感を出している。

 DFとしては疲労もピークの後半途中から出てくる選手はフットワークの面で対応するのが厄介だが、ケーヒルの場合は抜群の跳躍力も誇り、空中戦の怖さもある。ましてやケーヒルは過去の日本戦で8試合5得点を決めている“天敵”だ。しかし、それも森重にとっては織り込み済み。「過去に何度かやっている選手なので特長は分かっている」ときっぱり言う。

 オーストラリアから感じられる変化も、好材料だ。「オーストラリアは自分たちがやろうとしているサッカーを変えている。フィジカルより、つなぐサッカーにチャレンジしている。とはいえ、セットプレーや最後のクロスへの対応では相手は手強いし、一昨日の試合もセットプレーから失点している。最後のところで身体を寄せたり、やらせないという雰囲気をつくることが大事だと思う」と強調する。

 ここにきて自立心も芽生えている。「最初は監督がどういうサッカーをやりたいのかを見つける作業や、自分たちがどういう選手であるかを監督にアピールする時間が必要だった。今まではそれプラス、モチベーションやアドレナリンでうまくできていた部分がある。でも、時間が経つにつれて変化を出していかなければならない。相手も自分たちを分析してくる。そうなったときに自分たちに引き出しがない状況は良くない」。柔軟で、強固な守備が求められるオーストラリア戦。森重の強さと高さを生かし、敵地で勝ち点3を奪うつもりだ。

(取材・文 矢内由美子)

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