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結果も内容ももどかしそうな長谷部「今までと違うサッカーをやっているので…」

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試合中、大声で指示を出すMF長谷部誠

[10.11 W杯アジア最終予選 日本1-1オーストラリア メルボルン]

 割り切っているのか、多少のフラストレーションがあるのか。どちらとも取れるような言葉遣いであり、表情だった。

 オーストラリアを相手に現実的なリアクションサッカーで勝ち点1をゲット。MF長谷部誠(フランクフルト)は「しっかりとブロックを敷いて中を締めるのは、ハリルさんの真骨頂のようなやり方。かなり良い守備ができていた」と言いながら、一方では「ボールを奪ってからのカウンター攻撃の精度や、低い位置から前に行く精度についてはかなりの修正が必要かなと思った。ビルドアップで効果的なかわしがなかった」と課題を挙げた。

 ボランチの位置から見ていて、連係プレーによる崩しがほとんどなかったことは、かなりもどかしかったようだ。「相手のDFラインの足の遅さやアジリティーのなさを考えると、もっとやれたのだけど……」と残念がった。

 ポゼッションサッカーから縦に速い攻撃を主体とするチームへのスタイル変換に取り組み始めてから1年半が経った。しかし、「自分たちが今までやってきたサッカーと違うやり方をやっているので、もっと練習していかないといけない」と、道半ばであることを吐露。危機感を見せている。

 10月の最終予選2試合の結果は1勝1分で勝ち点4。決して悪い数字ではないが、胸を張るというところまではいけない。「2試合とも全然違うゲームだったので評価は難しい。イラク戦は内容はともかく、気持ちを見せて勝って、アウェーでは引いてブロックを作ってカウンターというやり方。相手や場所によってサッカーを変えていくという意味では、まだまだ成長過程だと思う」と言葉を選びながら話していた。

(取材・文 矢内由美子)

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