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誰も“ドウアン”を止められない…圧巻パフォーマンス披露の堂安律「楽しくて仕方なかった」

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イタリア守備網を切り裂いたU-20日本代表MF堂安律(G大阪)

[5.27 U-20W杯GL第3節 U-20日本 2-2 U-20イタリア 天安]

 圧巻のパフォーマンスを見せ付けた。U-20日本代表の右サイドハーフの位置に入ったMF堂安律(G大阪)は、変幻自在のドリブルでイタリア守備網を切り裂き続けるだけでなく、2得点を奪ってチームを決勝トーナメントへと導いた。

 試合開始わずか7分で2点のビハインドを背負った日本。堂安も「前半は立ち上がりが悪すぎて、正直焦ったところがあった」と振り返る。たとえグループ3位で終えようとも、決勝トーナメント進出に少しでも近付くためにはドローに持ち込む必要があった。「何とか自分が気持ちを見せるというか、『俺がやってやるぞ』というところを見せれば、チームが少し変わると思った。無理なところでも仕掛けに行こうと意識した」。俺がチームを引っ張る――。そう心に決めた堂安が、魅せた。

 右サイドでボールを受ければ、対面するDFジュゼッペ・ペッツェッラを翻ろう。たまらず他の選手がカバーに入ると、MF市丸瑞希(G大阪)との連係で守備網を突破して幾度となく好機を創出。そしてチャンスメイクだけでなく、自身も積極的にゴールを狙うと、前半22分にまずは1点を返す。

 左サイドでボールを受けたMF遠藤渓太(横浜FM)が鋭いクロスボールを送ると、「渓太くんが良いボールをくれた。前半の内に何とか1点を取れれば行けると思っていたので、気持ちで足を伸ばした結果」と左足を伸ばしてわずかに触れると、コースが変わったボールはゴールネットを揺らし、反撃の狼煙を上げる得点が生まれた。

 そして、圧巻は後半5分に生まれたゴールだった。市丸の縦パスをPA外で受けると、迷わずPA内へと進入。「自分の特長が出たところ」と1人、2人、3人、4人と寄せてくる相手選手を次々とかわすと、左足でコントロールしたボールが相手に当たってゴールに向かい、値千金の同点ゴールが生まれた。

 輝きを放ち続ける背番号7がボールを持てば、観客が沸くほどだったが、本人はいたって冷静。観客の反応も「全然感じなかった」と笑うと、「夢中だったですもん。後半なんかは楽しくて仕方なかったし、その中でも冷静だったし、球離れも良かった。ああいうプレーが続けられたらいいなと思います」と充実した表情を浮かべた。

(取材・文 折戸岳彦)
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