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今野、“イラクのロベカル”キーマン封じへ「そこだけ抑えればいいわけじゃない」

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黙々と汗を流すMF今野泰幸

 再び“キーマン封じ”の役目を担う。13日のW杯アジア最終予選でイラク代表と対戦する日本代表は4-3-3の右インサイドハーフでMF今野泰幸(G大阪)の先発が濃厚。イラクの左サイドハーフに入るとみられるDFアリ・アドナン(ウディネーゼ)への対応が重要な役割の一つとなる。

 3月23日のUAE戦(2-0)は左インサイドハーフに入った今野だが、このときはUAEの右サイドハーフにキーマンのMFオマル・アブドゥルラフマンがいたため。今月7日のシリア戦(1-1)では右インサイドハーフにポジションを移していたが、これもイラク戦を見据えたうえでの配置だったと見られる。

 イラク人選手として初めてセリエAに移籍したアリ・アドナンは“アジアのガレス・ベイル”“イラクのロベルト・カルロス”の異名を持つ左利きのサイドバック。ただ、昨年10月6日に埼玉スタジアムで行われた最終予選では左サイドハーフとしてプレーしており、どちらもこなすことができる。185cmと長身ながらスピードもあり、強靭なフィジカルと強烈な左足シュートを武器にした攻撃力が持ち味の選手だ。

「左サイドにいい選手がいるというのは聞いている」と話した今野だが、「でも、いい選手はその選手だけじゃない。前線の選手にも個性がある。そこだけを抑えればいいわけじゃない」と力説。特定の選手にとらわれるのではなく、「隙なく90分やらないといけないのは変わらない」と、チームとして90分間、高い集中力を持って臨むことの重要性を口にした。

 UAE戦で左第5趾基節骨骨折の重傷を負い、今月4日のJ1磐田戦に後半15分から途中出場し、約2か月ぶりとなる実戦復帰を果たしたばかり。中2日のシリア戦は先発で後半18分までプレーしたが、ハリルホジッチ監督が「彼は自分のコンディションを取り戻しつつある段階。我々の知っているトップコンディションの彼とは違った」と指摘したように、まだまだトップフォームではなかった。

 シリア戦から4日。現在のコンディションについて「正直、自分では分からない」と話す今野は「とにかく毎日の練習を一生懸命やっているだけ。そこは見ている人が判断することだと思う」と、ここに来て言い訳をするつもりもない。「シリアも激しかったけど、イラクはシリアよりも球際が激しいという情報を聞いている。かなり激しい試合になると思う」と、激しいデュエルの攻防も受けて立つつもりだ。

(取材・文 西山紘平)

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