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高揚感を隠さない香川、豪州は「僕らに与えられた課題であり、壁」

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練習でも集中した表情を見せるMF香川真司

 高ぶる感情が、その表情から溢れ出た。勝てばW杯出場が決まる31日のW杯アジア最終予選・オーストラリア戦(埼玉)に向け、日本代表MF香川真司(ドルトムント)は「メンタル的な準備はできている。あとはピッチの中で無心でやるだけ」と気合十分に言った。

 アジア最終予選のB組は2試合を残して日本が5勝2分1敗の勝ち点17で首位に立っているが、2位サウジアラビア、3位オーストラリアもともに勝ち点16と、三つ巴の争いになっている。あと1勝で6大会連続6回目のW杯出場が決まるが、残り2試合の相手はそのオーストラリアとサウジアラビア。とはいえ、「最終予選の組み合わせが決まったときから、この2試合がそのタイミングだろうなと考えていた」と、“想定内”の展開でもある。

 オーストラリアには過去のW杯予選で5分2敗と、いまだ勝ったことがない。「過去のデータを含めて、勝ってないことは知っている」と話す香川は「そこは僕らに与えられた課題であり、壁。そこを乗り越えて、必ずみんなで(W杯への切符を)勝ち取っていけるようにしたい」と力を込めた。

 昨年10月に行われたアウェーでのオーストラリア戦は1-1のドロー。トップ下で先発した香川自身、守備に忙殺される90分間だった。「彼らのホームで僕たちは彼らの良さを消すサッカーをした。それで勝ち点1を取れたことは良かったけど、今度は僕らのホーム。みんながより積極的にならないといけない」と、不完全燃焼に終わった前回対戦の鬱憤もぶつけるつもりだ。

 当時は4バックだったオーストラリアだが、6月のコンフェデレーションズ杯では一貫して3バックを採用。W杯王者のドイツと2-3の接戦を演じ、南米王者のチリとは1-1で引き分けた。「コンフェデレーションズ杯を通じて自信を得ている部分はたくさんあると思う。厳しい試合になる」と警戒する一方、攻略ポイントについても「ある程度のイメージは持っている」と力強かった。

「どう守備をしてくるかによるけど、相手が前から(プレッシャーに)来たら、その裏はドイツもコンフェデレーションズ杯で狙っていた。逆に引いてきたら、サイドやバイタルで僕らがボールに触れると思うし、そこで自分たちの時間をつくれる」。そうイメージを膨らませる日本の背番号10は「試合前からメンタル的に集中して、ピッチに入ったとき、どんな状況にも対応できるイメージを持って入りたい」と力説した。

 W杯出場を決めるゴールを決めたいか。報道陣からそう問われると、「そういうこともよく考えたけど」と笑みをたたえ、「自分自身がチームとしていい戦いができれば、チャンスは僕のところにも、みんなのところにも来ると思う」と、あくまで無欲に、チームの勝利だけに集中していた。

(取材・文 西山紘平)

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