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抜群だったMF齊藤未月。U-18日本代表の「スタンダード」引き上げる存在に

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U-18日本代表の中心選手として期待されるMF齊藤未月(右)

 U-18日本代表の「スタンダード」を引き上げる存在だ。MF齊藤未月(湘南)は5日、U-18日本代表候補大阪合宿の午前練習、午後練習ともにチーム随一と言い切っていいほどのプレー。ボランチの位置から大きく飛び出して相手GKにプレッシングし、インターセプトするシーンもあったMFは、その予測力の高さと、球際で相手の懐へ深く入り込む部分、抜群の運動量などの特長を発揮してボールを奪いまくっていた。

 7対7や11対11の“青白戦”(20分3本)では相手のプレッシャーが厳しく来る中でそのディフェンスを外してボールを動かした。一際アグレッシブにプレーしているにもかかわらず、まだまだ余力を感じさせるような動き。本人も「もっと身体も動けると思うし、運動量ももっと増やせると思う」と平然と言い切るなど、まだまだできることを強調していたことだけに底知れない。

 U-16~U-18の日本代表経験者の齊藤は、高校3年生だった昨年5月に湘南とプロ契約を結び、同年にJ1出場も果たした注目MFだ。今季はすでにJ2で24試合に出場。チョウ・キジェ監督の信頼も得てシャドーやワイドの位置で走り回っている。99年の早生まれである齊藤は今回、同じ境遇のFW田川亨介(鳥栖)とともにリーダーとしての自覚を持ってU-18代表候補合宿に臨んでいる。

 U-18代表の影山雅永監督は「Jも経験しているので自負があるだろうと。(他の選手達と)1学年違うし、Jも経験している。Jで試合に出るだ、この負けたらどうなるんだ、というピリピリ感のあるトレーニングというのをスタンダードにしたいんだ」という希望を齊藤に伝えたのだという。

 U-18代表の目標は世界で勝つこと。影山監督は、トレーニングからメリハリもつけた上で、生活のかかっているプロのような、緊迫感、厳しさのあるトレーニングを求めている。それを「スタンダード」にしたいと考え。齊藤はその言葉に応えるように、明らかに1段階違うレベルのプレーでトレーニングレベルを引き上げている。

 齊藤は「(得意の)ボールを奪うところ以外も見せないといけないし、影山さんも突出している部分がいくつもあって技術の部分はしっかりアベレージにもっていかないといけないとおっしゃっていたので、その通りだと思うし、それをアベレージやアベレージ以上にもっていったら、将来A代表も行けると思うし、この代表も引っ張っていける」と口にする。

 自身の代表への思いも特別。2歳上の世代であるU-20日本代表として今年のU-20W杯に出場することを目指したが、それを実現することはできなかった。だが、終わったことからすでに切り替えて、目の前の目標にチャレンジしている。

 凄みのある守備に加え、プロ入り後にボールを動かす部分などできることが着実に増えている印象のMFは「東京オリンピック、その前にはワールドカップもありますし、この代のワールドカップもありますし、全部取れたらいい。全部取りに行くつもりでやっています」と力を込める。

 現在、湘南はJ1復帰へ向けてJ2首位のまま終盤戦を迎えている。そしてU-18日本代表は11月に19年U-20W杯アジア1次予選(AFC U-19選手権2018予選)に挑戦。「チョウさんも言っていたように、Jリーグは第4コーナーを回って最後の最後なんでそこも勝ち続けて、ここでも結果を残せるようにやっていきたい」。個人としてはゴールに絡む回数などをさらに増やして成長していくこと。そして、上の世代の代表入りを本気で狙いながら、同世代の選手たちにはプレーで厳しさを伝えてU-18日本代表の「スタンダード」を引き上げる

(取材・文 吉田太郎)
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