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反省しきりの東口、2-0からの3失点に「このぐらいでいいかという甘さが出た」

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1年半ぶりの出場で3失点を喫したGK東口順昭

[10.10 キリンチャレンジ杯 日本3-3ハイチ 日産ス]

 約1年半ぶりにめぐってきたチャンスだった。昨年3月24日のW杯アジア2次予選・アフガニスタン戦(5-0)以来の先発となった日本代表GK東口順昭(G大阪)は3失点という結果に反省の言葉ばかりを口にした。

 特に悔やんだのが「1点目がすべてだった」という1失点目。2-0とリードした前半28分、日本の左サイドからFWドナルド・ゲリエがドリブルで中に切れ込むと、スルーパスにMFケビン・ラフランスがフリーで反応した。ラフランスのトラップが大きくなったところを狙って飛び出した東口だが、ボールに触ることができず、一瞬早くラフランスに押し込まれた。

「自分のリズムじゃなくて、結果的に詰めるのが甘くなってしまった。その一瞬で決まってしまう。そう感じた失点だった」。立ち上がりから日本が主導権を握り、守備機会は限られていた。GKとしてはリズムをつかみにくい展開。ゲリエのドリブルに対し、DF長友佑都が振り切られ、ボランチの位置から飛び出してきたラフランスに対してはMF小林祐希が付き切れなかった。

「映像を見たら、コーチングで防げたのかなとも思ったけど、あの場では『付いていけ』という指示が咄嗟には出なかった。2列目(からの飛び出し)だったし、あとは自分との勝負だった」。GKだけの責任とは言えない失点だったが、「もう一つ早く飛び込みたかった。そうすればどこかに当たっていたかもしれない」と自らを責めた。

 6日のニュージーランド戦(2-1)から先発9人が変更となり、センターバックもDF昌子源とDF槙野智章という初めての組み合わせだった。2-0とリードしてからは攻守に全体の連動性を欠き、ハリルジャパン31試合目にして初の3失点。「前半、2点取るまでは完璧だった。失点したあとはチーム全体のコントロールが悪かった。2点を早めに取れて、“このぐらいでいいか”というのもあったと思う。そういう隙を突かれた。甘さが出たかなと思う」と唇を噛んだ。

 後半8分の2失点目は相手の素早いリスタートからだった。「FKになって、ある程度間があった。レフェリーも笛から始めるかなと思っていた。そこでズレが生じた」。ハイチは右サイドで獲得したFKからゴール前へのクロスと見せかけ、短く縦に展開。DFカルランス・アルキュスの折り返しを中央のFWデュカン・ナゾンに合わせられた。

「2失点目もイージー。ああいう失点をしていたらこれからも戦っていけないと自分でも思う」。後半33分にはナゾンに鮮やかなミドルシュートを叩き込まれたが、「あそこで自分が触りたいというのがある。ああいう際どいコースのシュートを取れていかないと、W杯では厳しい。そこは痛感した」と、終始厳しい表情だった。

(取材・文 西山紘平)

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