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まさかの右SBにも縁?植田「早く出たい出たいと」3年待った代表デビュー

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DF植田直通(鹿島)が念願のA代表デビュー

[12.12 E-1選手権 日本2-1中国 味スタ]

 この瞬間を待っていた。日本代表DF植田直通(鹿島)が念願のA代表デビューを飾った。「早く出たい出たいという気持ちはあった」。15年1月の初招集から苦節3年。リオデジャネイロ五輪世代の23歳がついにデビューを果たしたが、そのポジションは本職のセンターバックではなく、右サイドバックでのサプライズ先発となった。

 アギーレジャパン時代に初招集された15年1月のアジア杯も、右サイドバックのDF内田篤人がケガのため辞退したことによる追加招集だった。「最初に呼ばれたときもサイドバックだったし、デビューもサイドバック。何か縁があるのかな」。胸中には複雑な思いもあったはずだが、不満や不安を見せることはなく、不慣れなポジションのデビュー戦で堂々のプレーを見せた。

「ベンチですべてのポジションを見ていたからこそ、僕は今回、サイドバックもできたんだと思う。ベンチに座って目の前で見てきたから、完璧とは言わないけど少しはプラスにできたのかな。無駄なことは一つもないと思う。自分のプラスにつなげてきたことが今日も生きたんじゃないかなと思う」

 ベンチで、時にはスタンドからハリルジャパンの戦いを見守ってきた植田だからこそ、求められる仕事は分かっていた。縦関係を組んだFW伊東純也を後方からサポートし、チャンスと見るや、自らも思い切りの良い攻め上がりから精度の高いクロスも供給。「まだまだでしたけど、自分にできることをやろうと。上がって思いっ切りやってやろうという気持ちでした」と話し、表情を緩めた。

「僕はセンターバックの選手。試合に出られたらどこでもいいけど、センターバックで出たい気持ちは忘れていない」。ベストを尽くしたうえで、そう本音も打ち明けた植田は「センターバックで出ても大丈夫なように準備をしていきたい」とキッパリ。日本代表不動のセンターバックを見据え、長い長い“助走”からついに第一歩を踏み出した。

(取材・文 佐藤亜希子)

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