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「俺、もうできないわ」離脱する青山の言葉に浅野は…

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日本代表FW浅野拓磨

 再び同じユニフォームを着てピッチに立つことを待ち望んでいた。しかし、日本代表FW浅野拓磨(ハノーファー)の願いは叶わなかった。ロシアW杯の壮行試合となるガーナ戦に臨む日本代表に選出されていたMF青山敏弘(広島)の離脱が、24日に発表された。

 13年に四日市中央工高から広島に加入した浅野は、3年半を青山とともにプレーした。初めて日本代表に同時に選出され、「僕のプレースタイルを知っている人が入るのは、すごくポジティブなこと。アオ君(青山)を信頼しているし、2人で崩せるプレーもあると思う。信頼関係はあると僕は勝手に思っています」と青山との再会を楽しみにしていた。

 しかし、20日のC大阪戦後に右ヒザに痛みを訴えた青山は、24日の午前中に代表に合流したものの、代表ドクターのメディカルチェックを受けたあと、千葉県内の病院で検査を受けた結果、離脱することが決まった。

 練習1時間前に準備をし始めた浅野がトレーナーの部屋に行くと、その場に青山がおり、「俺、もうできないわ。一本のパスを出してあげられないけど、お前一人でも頑張ってくれ」と言葉を掛けられた。浅野は「最初は何を言っているのかと思ったし、冗談を言っているのかと思った」ものの、状況を飲み込むと「何を言うべきだったか分からない」中で、「頑張ります」と一言だけ返したという。

 青山から掛けられた「一本のパスを出してあげられない」という言葉。青山が送る一本のロングパスから、浅野が最終ライン裏を突くシーンを広島在籍時に幾度となく見せていたように、この言葉を聞いたことで「お互いがお互いを生かせるプレーがあったと思う」と元チームメイトだからこそできる、お互いを生かす術があったことを改めて実感。「それを実現できるチャンスがあっただけに残念」と声を落としつつも、「本当にアオ君の分まで頑張らないといけない」と青山の思いも背負い、まずはロシア行きのチケットをつかみ取る。

(取材・文 折戸岳彦)

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