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「本能的に出た」反骨心をプレーに変えた長友“金髪神話”も継続中

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90分走り抜いたDF長友佑都

[6.19 ロシアW杯グループリーグ第1節 日本2-1コロンビア サランスク]

 気持ちが自然と出た。前半18分、コロンビアはMFフアン・クアドラード(ユベントス)が俊足を生かしてスルーパスに追いつき、日本代表DF長友佑都(ガラタサライ)と1対1の形になる。縦に仕掛けて抜こうとしたところで長友が冷静に対応。ボールはゴールラインを割り、日本のゴールキックになった。

 長友は思わずガッツポーズ。「クアドラードには絶対に負けたくない気持ちがあった。彼の得意な1対1の勝負をしてきて、“来たな”と思った。絶対止めてやると。本能的にガッツポーズが出た」。セリエA時代に何度も対戦してきたクアドラードを「スピードお化け」と評し、そのマッチアップに勝つことだけを考えてきた。

「セリエAの試合もずっとクアドラードばかり見ていた」。コロンビアとの対戦が決まってから、自身はトルコリーグに移籍しても、映像を通してクアドラードの研究を続けてきた。退場者を出したコロンビアは前半31分にクアドラードを下げ、ボランチのMFウィルマル・バリオスを投入。長友の“完勝”だった。

 90分を通して集中力を切らさず、だれよりも走り抜いた。走行距離はチーム最長の10.745km。「『おっさん、おっさん』言われていたので、若い選手より走ろうと思っていた。走って戦わないと始まらない。だれよりも気持ちは入っていた」。W杯メンバー23人の平均年齢は史上最高齢の28.26歳(本大会初戦時)。「年功序列」「おっさんジャパン」という批判の声に対し、自身のツイッター(@YutoNagatomo5)に「年齢で物事判断する人はサッカー知らない人」と投稿し、“炎上”も経験した。

「おじさん連中で見せないと、戦わないと」。サッカーは年齢じゃない。そのことを証明できるのはピッチ上のプレー以外になかった。西野ジャパン2連敗を喫したスイス戦(0-2)から一夜明けた今月9日、髪を金色に染め上げ、周囲を驚かせた。「チームの雰囲気もそうだけど、自分自身、気分を変えたいというのもあった」。そう胸の内を明かしていた。

 すると、12日のパラグアイ戦(4-2)で西野ジャパン初勝利を飾り、この日のW杯初戦もコロンビアを破る金星。「自己満で終わっているけど、金髪にしてから勝利継続中なので」。そう冗談交じりに笑った31歳の左サイドバックは「あと2試合ある。一瞬たりとも気は抜けないし、今日勝ってグループリーグ突破が決まったわけでもない。もう一度気を引き締めたい」と気合を入れ直した。

(取材・文 西山紘平)

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