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本田が託すW杯優勝の夢「ふさわしい選手を何人か見つけた」

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後半アディショナルタイム、左足で直接FKを蹴るMF本田圭佑

[7.2 ロシアW杯決勝トーナメント1回戦 日本2-3ベルギー ロストフ・ナ・ドヌ]

 守備的な戦術でベスト16入りした10年南アフリカW杯から8年。今回も同じく8強の壁を破ることはできなかった。それでもMF本田圭佑(パチューカ)の目には日本代表が確実に前進していると映っていた。

 10年と今回の違いを問われた本田は「立場と役割が変わったと思うし、サッカーも変わり、選手のスキルと能力も変わった」。次の言葉を探し出すように考えながらそこまで言うと、その後は力強い口調でこう続けた。

「景色が全然違う。今回は本当に次の試合になるブラジル戦のことも想定していた。あのとき(8年前)はそうじゃなかった。今回、全然違う景色がそこにあったのは事実」

 先を見すぎて足元をすくわれたというものではないとも強調した。「上には進めなかったけど、でも、上に進むチームというのは常に次を見据えている。日本代表は今ようやくそのステージに来た。これは変えてはいけない」。10年南アフリカW杯の決勝トーナメント1回戦でパラグアイにPK戦の末に敗れたとき、本田は「個が大事」と声を大にして訴えていた。

 本田の啓蒙は浸透した。8年間で選手の大半が欧州でのプレーを経験し、この日の先発メンバーも11人中、DF昌子源以外の10人が海外組。MF柴崎岳、MF原口元気、MF乾貴士らは個の力でも伸びた。だが、まだ足りない。今回は組織力が躍進の支えになったが、個に関して本田は「今後の日本サッカーにも必要だと思う」とこれも強調した。

「小さい頃からあこがれたW杯。プロになったのも、ヨーロッパに行ったのも、全部、W杯のためなんですよ」。すべてを懸けて挑戦し続けた大舞台への情熱を、今回のロシアW杯で次世代の選手たちに託すことができたという手応えにも言及した。

「僕の実力を出し切ったということに関しては悔いはない。ただ、優勝を目指して果たせなかったことについては、その意志を次の若手に引き継いでもらいたい」

 本田は「まだ優勝ということを口にする出す若手がいない」と言いながら、「今日出て活躍した選手のだれかが、だれに何を言われようとも優勝ということを言い続け、その選手が次の代表を引っ張っていくと思う。それにふさわしい選手を今回のW杯で何人か見つけている」。ここでもうれしそうな笑みを浮かべていた。

(取材・文 矢内由美子)

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