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克服できなかった課題…後半AT被弾に麻也「一瞬スイッチが切れた」

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うなだれるDF吉田麻也

[7.2 ロシアW杯決勝トーナメント1回戦 日本2-3ベルギー ロストフ・ナ・ドヌ]

 課題だったセットプレーの守備を最後まで克服できなかった。2-0とリードしながら後半24分、29分と立て続けにCKの流れから連続失点。試合を振り出しに戻され、後半アディショナルタイムには自分たちのCKのカウンターから逆転ゴールを決められた。

「印象深いパフォーマンスを世界に見せられたんじゃないかなと思う」。大会全体をそう振り返った日本代表DF吉田麻也(サウサンプトン)だが、「今日の結果に限って言えば、まったく満足していない」と厳しい口調で言った。

「このレベルの相手に2-0で70分までプレーできていて、そこから3点返されている。セットプレーからの失点だけど、僕は精神的なもろさが出たんじゃないかなと感じる。それは経験から来るものか、自信から来るものなのか分からないけど、向こうは多くの選手がビッグクラブでプレーしている。そこの強さは学ばないといけない」

 本大会前の強化試合からセットプレー絡みの失点が続いた。前半は守勢の展開にも粘り強く耐えていたが、やはりセットプレーで我慢し切れなかった。「結局僕らは小さいし、フィジカル的には弱い。そうなる前に止めないといけないし、もうちょっと試合をうまくマネジメントできたと思う」。いかにセットプレーを与えないか。そこを含めたゲームコントロールが必要だった。

「セットプレーに弱いという意味では、高さの問題、フィジカルの問題というのは今日明日で変わるものじゃない。育成の部分から改善していかないといけないと思う。日本のクイックネスやアジリティーの良さを出しつつも、もっと世界に通用するような選手を輩出していかないといけない。そこは協会と選手がしっかり考えないといけない」

 日本サッカーの未来への提言も口にしたDFリーダーは後半アディショナルタイムの失点シーンについても言及した。MF本田圭佑のCKを相手GKにキャッチされると、そこからカウンターを受け、中央でドリブルで持ち上がったMFケビン・デ・ブライネが右サイドに展開。DFトーマス・ムニエの折り返しをFWロメル・ルカクがスルーし、MFナセル・シャドリが左足で押し込んだ。

「最後は全力で戻ったけど、デ・ブルイネは非常に速かったし、トップスピードの中であのパフォーマンスだった。彼だけでなく、あそこで冷静にスルーできるルカクのうまさもあった。でも、ああいう失点はスイス戦でも許している。一瞬スイッチが切れたんじゃないかなと思う」

 6月8日のスイス戦(0-2)も自分たちのCKからカウンターで失点していた。「試合の終わらせ方や運び方はまだまだベルギーのような大国とはだいぶ差がある」。そう認めるしかなかった。

(取材・文 西山紘平)

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