beacon

アルゼンチンと歴史的ドロー。ブラインドサッカー日本代表が過去未勝利の強豪を”初完封”

このエントリーをはてなブックマークに追加

日本代表・田中章仁(右)はしつこく体を当ててアルゼンチンに決定機を作らせなかった

 2020年の東京五輪パラリンピックでメダル獲得をめざすブラインドサッカー日本代表が現地時間18日、南米遠征第2戦としてアルゼンチン代表Aチームと対戦し、0-0と勝利できなかったが、過去の公式戦ではできなかった無失点で切り抜けた。

 最新の世界ランク9位の日本代表は、前日に同世界ランク2位のアルゼンチン代表Bチームと試合をしたばかり。試合終了からわずか15時間ほどで挑んだ決戦で日本代表の粘りが光った。

 前半からピッチを広く使い、縦パスとサイドチェンジのパスを使い分けながら攻め込むアルゼンチン代表に押し込まれるケースが多かったが、自陣ゴール前ではFP田中章仁やFP佐々木ロベルト泉がしつこく体を当て、決定機をあたえない。後半はボールを奪う回数も増え、主将のFP川村怜を中心に攻めたが、得点はできなかった。試合終了間際にセットプレーからアルゼンチンの強烈なシュートを浴びたが、GK佐藤大介がファインセーブでゴールを許さなかった。

 日本代表の高田敏志監督は勝ちきれなかった悔しさの中に、収穫を見出していた。

「押し込まれることも想定して試合に臨んだが、コンパクトに距離感を保って徹底してプレーした結果、失点せずに勝ち点1を奪うことができました。想像以上のプレッシャーで、ヨーロッパの強豪国以上にイニシアティブとれる時間帯は少なかったのですが、この強度の中でも日本の意図したビルドアップやボールを前に運ぶことはできた。アルゼンチンの早い切り替え、高い強度のおかげで、成長させてもらえるゲームになりました」

 2年後の東京五輪パラリンピックを見据え、アルゼンチンは金メダルの有力候補のひとつ。敵国でフルメンバーと対戦することで、攻守にわたって現在の日本代表の立ち位置を確認することが遠征の最大の目的だ。しかし、歴史的初勝利をあげることでさらなるステップアップをめざす日本代表は、アルゼンチン代表の個人の癖まで細かく分析。合宿練習を公開した12日も、セットプレーの練習の時だけは情報漏れを避けるため、報道陣にカメラを回すことを控えるようにお願いするほどの徹底ぶりだった。

「あとは、点を奪えるか。前から奪いにいき、とにかく得点を奪って、勝ち点にこだわってゲームをしていきたい」(高田監督)

 守備に手ごたえを得た日本代表は、現地時間20、21日にブラジル代表戦で過去未勝利の歴史を塗り替える。

≪アルゼンチン代表A戦 出場メンバー≫
日本代表先発メンバー
GK佐藤 大介
FP川村 怜
FP佐々木ロベルト泉
FP田中 章仁
FP加藤 健人

日本代表後半メンバー
GK佐藤 大介
FP川村 怜
FP佐々木ロベルト泉
FP田中 章仁
FP黒田 智成
【注】GKはゴールキーパー、FPはフィールドプレーヤーの略称

≪過去対戦成績≫
第3回IBSA視覚障害者スポーツ世界大会 2007.8.3 ●0-2アルゼンチン(ブラジル)
第5回世界選手権            2010.8.21●0-1アルゼンチン(イングランド)
4カ国対抗国際親善大会         2014.9.4 ●0-1アルゼンチン(フランス)

●障がい者サッカー特集ページ

TOP