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この悔しさ、無駄にはしない…MF三好康児「味わったのは僕たちしかいない」

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U-21日本代表MF三好康児(札幌=右)

[9.1 アジア大会決勝 U-21日本1-2(延長)U-23韓国 ボゴール]

 覚悟を持ってピッチに立っていた。前日の公式会見でU-21日本代表MF三好康児(札幌)は力強く語った。「僕たちがこれから先、サッカー人生をより良くしていくためには、こういう大きな舞台で活躍することが先につながる」と――。

 準決勝サウジアラビア戦は負傷の影響もあって出場機会が巡ってこなかったが、決勝の韓国戦ではスターティングメンバーに名を連ねる。しかし、シャドーの位置に入ったものの、韓国に押し込まれる時間帯が続いたため、守備に回る時間が多くなった。韓国が前がかりになる分、「自分たちがボールを持ったときにスペースができるのは感じていた」ものの、相手の前線にはオーバーエイジのFWソン・フンミンやFWファン・ウィジョ、ロシアW杯にも出場したFWファン・ヒチャンらがおり、「あれだけ力のある選手が多い中、もう少し攻撃に力を残して行けるような戦い方が必要だった」と振り返った。

 攻撃面では前半28分に鋭く右サイドを切り裂いてフィニッシュに持ち込んだが、その他の場面ではなかなか効果的にボールに絡めず。「自分のところで受けることで攻撃を活性化できると感じていたので、受ける回数をもっと増やしたかった」と自身も悔しさを滲ませている。

 延長戦までもつれ込んだ死闘。しかし、日本は1-2で敗れて金メダルを逃すことになった。前日に覚悟を語っていたキャプテンは「銀メダルが現状なので、その結果は真摯に受け止めないといけない」と唇を噛みつつ、「この悔しさは次につなげるしかない」と前を向く。「この悔しさを味わったのは僕たちしかいないし、この悔しさを晴らせるのも僕たちしかいない。これから先、もっと大きな舞台で戦えるように成長したい」。

 アジアの頂点まで、あと一歩と迫りながらも、その頂には到達しなかった。前日会見で語ったような、「大きな舞台での活躍」は実現できなかったのかもしれない。しかし、今後“この悔しい経験があったから”と言えるような成長を遂げられるよう、日々精進していく。

(取材・文 折戸岳彦)
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