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日本代表メンバー発表 森保一監督会見要旨

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日本代表の森保一監督

 日本代表森保一監督は4日、都内で記者会見を行い、12日のキリンチャレンジカップ・パナマ戦(デンカS)、16日の同ウルグアイ戦(埼玉)に向けた日本代表メンバー23人を発表した。

以下、森保一監督の会見要旨

森保一監督
「新潟、埼玉での2試合を日本代表の貴重な強化の場と考え、チームづくりを前進させられるように臨んでいきたい。新潟や埼玉のスタジアムに足を運んでくださるサポーターのみなさんをはじめ、日本代表を応援してくださる国民のみなさんに喜んでいただけるような内容の試合にしたいと思っている。前回のキリンチャレンジカップは北海道での試合は中止になったが、我々も北海道大地震で被災した。日本全国で自然災害が本当に多くある中で、つらい思い、苦しい思いをされている方がたくさんいると思う。さらに現地で復旧復興に携わっている方々に励ましのメッセージとなるプレー、試合ができるようにやっていきたい」

―前回活躍した中島選手が今回も招集されたが、どんなプレーを期待しているか。
「中島だけではなく、各選手がチームのコンセプトの中でそれぞれが持っている特長を思い切り発揮してほしいと思っている」

―この2試合で何をテーマにチームづくりをするか。
「やりたいことはいっぱいあるが、2つ考えていることがある。一つはまだ私が監督になって2試合目のA代表の試合なので、チームづくりを進めていくということ。チームを成長させる、コンセプトを浸透させていくことが一つで、選手も前回から多く入れ替わっているので、選手の特長、コンディションを把握し、チームの融合をチェックするということをやっていきたい。戦術の浸透と、チームとしてどう機能するかを見たいと思っている」

―W杯のレギュラー格だった吉田、長友、大迫らが入ったが、彼らを選んだ理由と彼らに期待することは。
「前回のキリンチャレンジカップからロシアW杯に出場した選手を招集させてもらっている中で、本来であれば全員を招集して見てみたいが、前回のキリンチャレンジカップの選手に今回招集した選手をプラスして、チームにどういう化学反応が起こるかということと、個々のコンディションの部分を今回のパナマ戦、ウルグアイ戦で見れたらと思うし、トレーニングの中からもそこは見たいと思っている。ロシアW杯に出場した選手たち、これまで長くキャリアを積んできた選手が来てくれるということで、若い選手たちにいろんな経験を言葉で、そしてプレーで伝えていけるように、チームとしていろんなものを継承していけるようにしていければと思う」

―浸透させたいコンセプトというのは。
「ざっくりだが、全員攻撃全員守備というところは前回のコスタリカ戦でも選手たちは表現してくれたと思う。攻撃では3点を取ることができて、守備では無失点に抑えることができた。相手との力関係やそのときのコンディションによっても違うとは思うが、全員攻撃全員守備がチームとして表現できるようにやっていければと思う。バランスよく戦うことがこのメンバーの中でどうやってできるかを見たいと思っている」

―今回の選手選考で大事にしたことは。
「前回のキリンチャレンジカップのときにメンバー選考で考えていたのはロシアW杯に行くことのなかった選手で可能性がある、力のある選手を招集したいということと、ロシアW杯には行ったが出場機会の少なかった選手、あるいは海外で活躍している若い年代の選手、特にリオ世代より下の年代の選手を招集してチームをつくりたいと思って招集した。今回は前回の活動を踏まえて、プラスして新たな選手を加えてチームづくりを進めていけるように、我々がやろうとすること、コンセプトの部分を伝えていき、グループとしての化学反応を今回の活動で私自身が見ていければと思っている」

―柴崎、原口はクラブで出場機会が少ないが、この2人のコンディションをどう見ているか。
「ロシアW杯で中心となって戦った選手たちを招集したいと思っている中で、その2人はなかなか出場機会に恵まれていない選手だと思うが、もともと世界の舞台では力を発揮し、実力を見せてくれた選手たちだし、そういう選手にチームに加わってほしいという思いと、コンディション的にはトレーニングは積めているということで、我々の活動に実際に加わってもらって現在のコンディションを見極めて、今後の活動でどうしていくかを見たいと思って招集した」

―1月のアジアカップに向けて今回の2試合の位置づけは。
「アジアカップに向けてA代表を強化していかないといけない、チームづくりをしていかないといけないということは考えつつ、私が就任してから招集できた選手は限られている。いろんな選手を見ながらチームの強化を図っていければと思っている。パナマ、ウルグアイともにW杯に出ている強豪国。その中で選手たちの力、現在のコンディションを見極めながらアジアカップに向けてやっていければと思っている。まだまだ本来は招集したい選手がたくさんいる。今回のキリンチャレンジカップで招集した選手がどれだけアジアカップに残っていくのか。全員なのか、もしかしたら少数なのか。そこは実力の世界だと思うし、これから試合を見たうえで、視察と情報収集をして、そのときのベストのチームをつくっていきたい」

―パナマ、ウルグアイの印象は。
「両チームともW杯に出ている国で、非常に力のあるチーム。日本代表の強化につながる、チームの成長につながると思っている。相手チームもそうだが、我々が何をできるかというのをしっかり考えていかないといけないと思う」

―9月に試せなかった3バックをテストする考えはあるか。
「形の部分、システムの部分に関しては、システムありきではないが、4バック、3バックと考えてやっていきたい。ただ、選手たちには臨機応変に、対応力を持ってプレーできるように、原理原則は変わらないということを伝えたいと思う。そこはトレーニングを見て、試合の流れを見て、準備していきたいと思うし、試合の中で対応していきたいと思っている。フィールドプレイヤー20人、GK3人を招集している中で2試合でより多くの選手を試していきたいとは考えている。ただし、試合の流れもあるし、いろんな状況に対応しながら選手の起用は考えていきたい」

―GKは前回の3人とまったく一緒だが、現時点でこの3人を脅かす存在がいないからなのか。
「前回のキリンチャレンジカップからGKは同じ3人を招集させてもらっているが、3人だけをずっと招集していくかどうかは決めていない。もちろん3人ともいい選手なので、ずっと選ばれていく可能性もあるが、他にも今回選んでもおかしくない、選びたいと思ったGKもいた。代表では練習する時間も少ないし、試合にどう使っていくかは断言できるものではないが、練習の中で我々がやろうとする戦術、コンセプトの中でプレーしてもらう、その時間を少しでも長く持ってもらうために招集したのは理由の一つではある。彼らに求めることは、まずは失点をゼロにしてもらえるように、安定した守備の部分で自身で止めるというところ、そしてチームで他の選手と協力して相手のチャンスを未然に防ぐ、チャンスの芽を摘むこと。攻撃の部分では攻撃の第一歩として攻撃の起点になれるような攻撃の関わりも求めていきたい」

―所属クラブがJ2に降格しても個人のパフォーマンスが良ければ代表に呼び続ける考えか。
「そこは何ともお答えするのは難しいが、いい選手であれば、日本代表に選ぶべきだと思った選手については招集したいと思っている。まずはそうならないようにとは思っている。ニュートラルに見ていかないといけない立場だと思うが、全クラブの成功というところで、結果として全部はないかもしれないが、日本代表を支えてくださっているJクラブをはじめとするすべてのチームに少しでもいい成果があるように願って、我々は活動していきたい」

(取材・文 西山紘平)

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