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3度目のアジア杯に挑む長友「怖さがないと言えば嘘になる」

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自身3度目のアジアカップに臨むDF長友佑都

 アジアカップ初戦を2日後に控え、日本代表DF長友佑都(ガラタサライ)は「チームには緊張感が出てきている」と、雰囲気の変化を感じ取っていた。前日6日の練習から23人がそろい、連日の非公開練習で9日のトルクメニスタン戦に向けて調整が続いている。

「みんなそろって、ミーティングもしたけど、戦術の確認も含めて練習はかなりピリッとしてきた。やっと来たかなと。僕もワクワクしている。W杯のときと似ているようなテンションというか、緊張感が自分の中に流れている」

 国内合宿最終日となった昨年12月30日の練習試合後には「国内組はもう少し追い込んでもよかったんじゃないか」と苦言を呈したが、「チームを締めるために発言した」と、あらためてその真意を語り、「その前に僕も肺の手術をしたばかりなので、自分自身、コンディションを整えないといけない」と指摘。そのうえで「チーム全体としては間違いなく上がってきている。体のキレ、練習での動きを含めて、国内でやってきた合宿とは明らかに違う」と、チームの仕上がりに自信を見せた。

 5日に開幕したアジアカップでは開催国のUAEが開幕戦でバーレーンと1-1で引き分け、前日6日にはオーストラリアがヨルダンに0-1、タイがインドに1-4で敗れる波乱も起きた。この日も韓国がフィリピンに1-0で辛勝。長友は「アジアカップが来たなという感じ」と表情を引き締める。

「(ヨルダンに敗れた)オーストラリアもちょっと気が抜けている部分があったと思う。入りがスローで、気持ちが入っていないようなところがあった。それは僕らは絶対にないようにしたい」

 日本代表としても同じような経験をした教訓がある。「(優勝した)11年もグループリーグでかなり苦戦した。(南アフリカW杯以降、)少し天狗になっていたかなというときにアジアカップが来て、足元をすくわれかけた」。11年大会初戦のヨルダン戦は後半アディショナルタイムの同点ゴールで何とか1-1の引き分けに持ち込み、シリアとの第2戦も退場者を出しながら2-1で競り勝つなど苦しんだ。

「難しいという話は何度もしている。逆に怖いですよ。相手がどういう形で出てくるか分からない。W杯は僕らによって相手が戦術を変えるということはほとんどないけど、アジアカップは日本を倒すためだったらどんな戦術でも取ってくる。怖さがないと言えば嘘になる」。自身3度目のアジアカップ。優勝もベスト8敗退も経験したベテランの言葉はだれよりも重い。

(取材・文 西山紘平)

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