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「それは僕が招いたこと」失点そのものより権田が悔やんだのは…

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アジアカップ初戦のゴールを守ったGK権田修一

[1.9 アジア杯F組第1節 日本3-2トルクメニスタン アブダビ]

 失点場面を大いに悔やんだ。大事な初戦のゴールマウスを任された日本代表GK権田修一(鳥栖)が、意表を突くミドルシュートを決められたのは前半26分だった。

 日本は敵陣で仕掛けたMF堂安律が不用意に戻したパスを相手に奪われてカウンターを受けると、中央から楽々と運ばれて最後は左に開いたMFアルスラン・アマノフにPA手前約30mの距離からシュートを打たれた。無回転のミドルシュートは反応がやや遅れた権田の手を弾いてゴールネットに突き刺さった。あれだけ警戒していたはずなのに、先制を許すというまさかの展開だった。

「スコア上もそうですし、心理的にも焦りが出た。今日の試合はGKとして、守備の人間として、僕のミッションは失点しないことだったのに、ああいう(カウンターで)、しかもミドルシュートでやられた」。反省が口を突いた。

 アジアカップの公式試合球は、権田によると「あのボール自体、変化が少し大きい」。しかし、それは練習の段階から分かっていることであり、対応すべき変化だった。

 失点そのものもそうだが、何より権田が悔やんだのは“弱み”を見せたことだ。「ああいう失点をしたので、これからの相手もうちの映像を見て、あのGKはあそこから打ったら可能性あるぞと思って打ってくると思う。それは僕が招いたこと。自分が失点したことで、後半も打ってきた」と振り返った。

 3-1と突き放したあとの後半27分にはPA内に進入してきた相手を倒してPKを献上し、イエローカードも出された。前半36分には相手の決定機を鋭い反応で防ぐファインセーブを見せていたが、悔やむ気持ちを覆うものとはならなかった。

「日本が上にいくためには僕自身、もっと成長しなければいけないと感じさせられた試合」と権田。リベンジの機会をつかむための努力がまた始まる。

(取材・文 矢内由美子)

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