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埋まらない大迫の穴…北川をかばう長友「若手が生き生きプレーできないのはベテランの責任」

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攻撃陣に言及したDF長友佑都

[1.13 アジア杯F組第2節 日本1-0オマーン アブダビ]

 2連勝で決勝トーナメント進出を決めたことは良かったが、その内容は到底満足できなかった。日本代表DF長友佑都(ガラタサライ)は「勝って決勝トーナメントを決めることが大事だったので、結果に関しては良かったけど、内容的にはこのまま勝ち上がっても、決勝トーナメントで強いチームと当たったら厳しくなるかなと思う」と厳しい表情を崩さなかった。

「初戦より良かったのは決定的なチャンスをつくったこと。初戦はそれさえつくれなかった。いい連動からGKと1対1の状況に持って行ったり、連動、バリエーションは一戦目より良くなった」

 立ち上がりからMF堂安律の突破やMF南野拓実の飛び出しなどで決定機をつくった。しかし、クロスバーや相手GKの好守もあり、なかなか決め切れない。前半28分にMF原口元気のPKで先制するも、後半はチャンスらしいチャンスをつくれぬまま1-0でタイムアップ。「攻撃のバリエーションはいい形ができていたのは間違いない。でも終わってみればPKの1点だけではあまりに物足りない」と率直に言った。

 やはりエースの不在は痛かった。9日のトルクメニスタン戦(○3-2)で2ゴールを決めたFW大迫勇也は右臀部の違和感を再発させ、ベンチには入ったものの大事を取って欠場。代わってFW北川航也が1トップで先発し、後半12分からはFW武藤嘉紀に代わったが、ともにシュートを打てずに終わった。

「大迫は僕らの大黒柱。将棋で言うと、飛車、角のレベルの選手」。大迫が絶対的なエースであることを認めつつ、その代役となる選手に対しては「(大迫の)代わりで出ているんじゃない。大迫の代わりじゃないんだ、俺がチームを変えてやるんだという気持ちがほしい」と、あえて厳しい言葉で要求した。

 この日、先発した北川は昨年10月に代表デビューしたばかりの22歳。国際Aマッチ出場もこの試合がまだ5試合目で、先発は2試合目だった。「まだ遠慮している。若いというのと経験がないということで自分自身を出し切れていない」。そう指摘した長友は「彼とも話したい。若手が生き生きプレーできていないのはベテランである僕らの責任。彼の責任だけじゃない」と若きストライカーをかばい、ピッチ外でもコミュニケーションを取りながらアドバイスしていきたい考えを示した。

(取材・文 西山紘平)

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