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サウジのボール支配率76.3%にも酒井宏樹「全然サプライズではなかった」

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右サイドバックで守備に奮闘したDF酒井宏樹

[1.21 アジア杯決勝T1回戦 日本1-0サウジアラビア シャルジャ]

 試合は想定していたとおりに進んだ。ボール支配率は日本代表の23.7%に対し、サウジアラビアは76.3%。ポゼッションでは圧倒的に上回られたが、DF酒井宏樹(マルセイユ)は「予想していた」とどこ吹く風だ。

「サウジアラビアはボール支配率が高い。この大会はすべて70%ぐらいあった。カウンターに懸けていたし、全然サプライズではなかった」

 サウジアラビアはグループリーグ初戦の北朝鮮戦(○4-0)で73.3%、第2戦のレバノン戦(○2-0)で69.5%、負けた最終戦のカタール戦(●0-2)でもボール支配率は71.2%あった。しかし、ポゼッションで上回ったチームが試合にも勝つわけではないことは、日本も逆の立場で過去に何度も経験してきたことだ。特にこの試合では前半20分にセットプレーで日本が先制したことが、サウジアラビアのボール支配率をさらに高める要因となったのは間違いない。

「セットプレーは攻守どちらも細かいところで勝負を分ける。そこだけは集中しようと話していた」。1点をリードしてからはしっかりブロックをつくって守り、カウンターから好機をうかがう展開に拍車がかかった。サウジアラビアに攻め込まれても最後のところで体を張り、笛が鳴るまで走り抜く。酒井自身、後半アディショナルタイムには足をつったが、「みんな戦えていた」と胸を張った。

「ただ、課題は残っている。守備に力を注ぎすぎて、後半は疲れて攻撃ができなかった。でもそれは前(の選手)が悪いわけじゃない。守備の時間が長くなって、1-0のまま行きたいというのもあった」。終盤は全体が間延びし、中盤のセカンドボールも拾われる苦しい時間が続いた。攻撃陣も守備に追われる時間が長くなり、疲弊していった。

「前の選手はきつかったと思うけど、こういう試合も大事。若い選手もいたし、こういう試合をして次に勝ち進むことは大事」。MF南野拓実やMF堂安律らにとっては我慢の試合となったが、ベテラン選手が見せたしたたかな試合運びに日本の成長も感じさせた。

(取材・文 西山紘平)

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