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VARに泣きVARに笑った日本…堂安のPK弾でベトナム下し4強入り

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後半12分にMF堂安律のPKで先制

[1.24 アジア杯準々決勝 日本1-0ベトナム ドバイ]

 アジアカップは24日、準々決勝を行い、日本代表はUAE・ドバイのアルマクトゥームスタジアムでベトナム代表と対戦し、1-0で競り勝った。前半24分、DF吉田麻也の得点がビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の助言を受けて取り消されたが、後半12分、今度はVARにより獲得したPKをMF堂安律が沈めた。日本は28日の準決勝で中国対イランの勝者と対戦する。

 日本はFW武藤嘉紀が累積警告で出場停止のため、FW北川航也が1トップで2試合ぶりに先発した。それ以外は21日の決勝トーナメント1回戦・サウジアラビア戦(○1-0)と同じメンバーで、2列目は右から堂安、MF南野拓実、MF原口元気。ダブルボランチはMF柴崎岳とMF遠藤航のコンビで、4バックは右からDF酒井宏樹、DF冨安健洋、吉田、DF長友佑都と並び、GK権田修一がゴールを守った。[スタメン&布陣はコチラ]

 5バック気味に守備を固めるベトナムに対し、日本はボールポゼッションで上回るが、堅い守りをこじ開けられない。逆にベトナムは前半14分、カウンターから1トップのFWグエン・コン・フオンがフィニッシュまで持ち込むなど、狙いどおりの試合運び。攻めあぐねる日本は前半23分、柴崎の縦パスを北川がおさめ、ゴール前に走り込む原口へ。原口の折り返しがCKを獲得した。

 前半24分、柴崎の左CKがニアの密集地帯を抜けてきたところを吉田が押し込み、ゴールネットを揺らす。吉田はベンチに向かって走っていき、控え選手たちと歓喜の輪が広がったが、準々決勝から導入されたVARの助言を受け、主審がピッチ脇のモニターで映像を確認。ボールは吉田の右腕に当たって入っていたとして吉田のハンドを取り、ベトナムの直接FKで試合再開となった。

 幻の先制点となり、意気が上がったのはベトナム。サポーターの後押しも受け、前半27分にはグエン・コン・フオンが個人技でシュートまで持って行った。同37分、セカンドボールをつないで右クロスのこぼれ球をMFファン・バン・ドゥックが左足で狙うが、権田が横っ飛びでキャッチする。同38分には権田からパスを受けた吉田のトラップが大きくなり、ファン・バン・ドゥックがカット。MFグエン・クアン・ハイが左足でシュートを打ったが、至近距離で権田が弾き出すビッグセーブを見せた。

 日本は前半45分、柴崎がファウルを受けながらも中央をドリブルで駆け上がり、右前の堂安へ。堂安はPA内右に走り込む南野へスルーパスを通し、南野が右足を振り抜いたが、GKの好セーブに阻まれた。ようやくいい形でフィニッシュまでつなげた日本だが、スコアレスのまま前半を折り返した。

 前半終了時点でボール支配率は日本が70%、ベトナムは30%。後半も同じように日本がボールを保持する時間が続くが、なかなか決定的な形をつくれない。後半7分、遠藤がPA手前から右足でミドルシュートを打ったが、これもGKに阻まれた。直後の8分、原口からのスルーパスに反応した堂安がPA内に入ったところでDFブイ・ティエン・ズンに倒される。主審はこのプレーを流したが、約2分後にVARが介入。再びピッチ横のモニターで映像を確認し、ブイ・ティエン・ズンが堂安の足を引っかけていたとして日本のPKを取った。

 ブイ・ティエン・ズンにはイエローカードが示され、ペナルティースポットに向かったのは堂安。倒されてから約4分後の後半12分、自ら左足でゴール右にねじ込み、今度こそ日本が先制点を奪った。その後も攻め続ける日本。後半21分、権田からのフィードを南野がおさめて左サイドに展開。原口の折り返しに北川が頭で合わせたが、オフサイドの判定だった。

 日本は後半27分、最初のカードを切り、北川に代えてFW大迫勇也を投入。右臀部痛で最近3試合を欠場していたエースがグループリーグ初戦のトルクメニスタン戦(○3-2)以来、4試合ぶりに復帰した。同32分には高い位置からプレッシャーをかけた堂安が相手のパスをカット。こぼれ球を回収した南野がドリブルでPA内に切れ込み、右足でシュートを打ったが、GKが左足一本でセーブした。

 絶好の追加点のチャンスを生かせなかった日本は後半33分、原口に代えてMF乾貴士をピッチに送り込んだ。大迫が前線で起点となり、コンビネーションプレーも出てきた日本だが、2点目が遠い。後半44分には南野を下げてDF塩谷司を投入。塩谷は遠藤とダブルボランチを組み、柴崎がトップ下にポジションを上げた。

 終盤はベトナムに攻め込まれる時間が続いたが、守備陣は最後まで集中力を切らさず、体を張ってシャットアウト。サウジアラビア戦に続いて2試合連続の1-0完封勝利を飾り、優勝した11年大会以来、2大会ぶりのベスト4進出を決めた。

(取材・文 西山紘平)

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