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長友が語る森保J一体感の象徴「槙野や乾が率先してほうきで掃除を…」

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これまでにない一体感を感じているDF長友佑都

 決戦を前に束の間の休息となった。アジアカップ準決勝イラン戦(○3-0)翌日の29日、日本代表の選手たちはUAE・アブダビ市内の日本食レストランで舌鼓を打った。昨年末から国内で事前キャンプがスタートし、今月3日にUAE入り。約1か月に及ぶホテル生活の中でリフレッシュと気分転換も兼ねた決起集会だった。

 DF長友佑都(ガラタサライ)は「選手だけのミーティングとか、選手だけの外食とか、そのタイミングを含めて昨日がベストだったかなと思う。みんなで外食して、日本食を食べて、笑い合って、ストレス解消にもなる」と、その意図を説明する。

 毎日、ホテルで食事を取り続けていれば息が詰まることもあるだろう。食事後はリラックスルームでお茶やコーヒーを飲みながら選手同士で歓談するのが恒例だというが、「古今東西のゲームをして、負けた人がお茶の用意をするんだけど、やりすぎてネタがなくて……」と長友は苦笑い。チームの仲の良さを感じさせるエピソードだ。

 長友自身、「ここまでまとまっているチームはなかなかない。森保ジャパンの一体感を感じている」と実感を込めて言う。大会になれば自然とスタメンは固定されていくが、「試合に出ていない選手から文句が一切出ない。これは本当にすごいこと」と証言。実際、試合翌日の練習に主力組は参加しないが、控え組のみの練習はいつも活気に満ちている。

「試合に出てない選手は悔しいし、いい気分ではない。(監督にとっては)出ていない選手のコントロールが一番難しいけど、出てない選手も監督を信頼して、慕っている」。森保一監督の卓越したマネジメント術に感嘆の声をあげ、「人格、人間性でしょうね。人間性が悪ければ選手は付いていかない。それがあるからチームの雰囲気もいい」と絶対の信頼を寄せた。

 控え選手からのサポートはピッチの上でもロッカールームでも実感している。「チームのために声を出してくれているし、ベンチから声をかけられて支えてもらっている」。そう感謝の言葉を口にする長友は試合後のこんな裏話も明かした。

「ロッカールームを試合に出ていない選手が掃除しているんです。こないだも槙野や乾が率先してほうきで掃除をして、洗濯物をまとめてくれていた。後輩だけど、リスペクトするし、出ている自分たちはやってやろう、絶対に勝つんだという気持ちになる」。森保ジャパンの一体感を象徴する秘話。試合に出る、出ないに関係なく、チームは一つになってアジアの頂点に上り詰めようとしている。

(取材・文 西山紘平)

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