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自覚ゆえの自戒…敗戦の責任を負う大迫「後悔もあるし、悔しさもある」

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準優勝の表彰で空を見上げるFW大迫勇也

[2.1 アジア杯決勝 日本1-3カタール アブダビ]

 エースとして、チームを引っ張る一人として、チームを助けられなかったことが悔しかった。日本代表FW大迫勇也(ブレーメン)は「相手が4バックで来るか、5バックで来るか分からない状況の中で、自分たちが後手を踏んだのは事実」と試合の入り方を悔やみ、「経験ある選手がもっと試合の中で変えるべきだった。そこは申し訳ない」と自ら責任を負った。

 3バックと4バックを併用して大会を勝ち上がってきたカタールが日本戦でどんなシステムを採用してくるかは読みづらかった。大迫は「どっちか分からない感じはあった」と認める。実際には5バック気味の布陣で臨んできたカタールに対し、日本は前線からのプレスがハマらず、FWアクラム・アフィフはピッチを縦横無尽に動いて日本守備陣を混乱させた。

「一番はそこ(プレッシャー)がハマらなかった。サイドがずっと数的優位な状況で、真ん中の人数が足りない状況が起こってしまった」。選手たちは懸命に対応し、徐々にではあるが、落ち着きを取り戻していった。しかし、そのときにはすでに2失点。「修正はできたけど、0-2になってからで、すごく遅かった。僕自身、前の選手で経験がある中で言えなかった。後悔もあるし、悔しさもある」と唇を噛んだ。

 ロシアW杯を最後にMF長谷部誠、MF本田圭佑らが日本代表を引退。「上の世代が抜けて、年齢的にも立場的にも自分が引っ張っていかないといけないのは個人としても分かっている」。28歳のエースはその自覚があるからこそ、「優勝できなかったのは僕個人にも責任がある」と、一切の言い訳をせず、自らを責めた。

 タイムアップの笛が鳴ると、一目散にロッカールームへ引き上げようとする大迫の姿があった。表彰式があるため選手はそのままピッチに残る必要があり、慌ててスタッフが制したが、そのときの心境を聞かれた大迫は「悔しさと後悔と両方。複雑な気持ちだった」と回顧。「またチームに帰ってやり直すしかない。もう一回自分を見つめ直してサッカーをしていかないと成長できない」。その言葉を残し、取材エリアをあとにした。

(取材・文 西山紘平)

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