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新ルール採用のU-20W杯へ…“初トライ”した選手たちの感想は

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新ルールを試したU-20日本代表

[4.16 練習試合 U-20日本代表 1-1 全日本大学選抜]

 U-20日本代表は16日、全日本大学選抜との練習試合を2019-20シーズン用の競技規則に基づいて行った。5月に開幕するU-20ワールドカップで、各国リーグ戦に先駆けて新規則が採用されるため。慣れないルールに選手たちが困惑する場面も見られたが、戦術的な幅の広がりを前向きに受け入れる声も聞かれた。

 国際サッカー評議会は3月中旬、年次総会で19-20シーズン向け競技規則改訂を話し合い、以下の点などでルール変更が行われることを示した。(詳しくは記事下部の関連ニュース参照)

・ハンド基準の具体化
・コイントスでボール選択が可能に
・主審にボールが当たった場合の再開方法
・自陣でのゴールキック、エリア内FKをエリア内で受けても良い
・PKにおけるGKファウルの明確化
・交代時は最も近いラインから退場
・FKの壁に攻撃側が入るのは禁止

 この日の練習試合で最もフォーカスされていたのは、自軍ゴールキックと自陣ペナルティエリア内FKにおける規則変更。これまでは攻撃側の選手がボールを受ける際、ペナルティエリアの外に出ている必要があったが、改訂後はペナルティエリア内でもパスを受けられるようになった。

 試合終盤にピッチに立っていた実際の選手に当てはめて言えば、GK若原智哉(京都)がゴールキックを行う際、最終ラインのDF橋岡大樹(浦和)とDF関川郁万(鹿島)はエリア内に入っていても良くなり、実際にエリア内でボールを受ける形が相次いでいた。

 もっとも、この日の練習試合ではそこで一つの問題が発生した。守備側にあたる全日本大学選抜FW上田綺世(法政大)がエリア内に入ってプレッシングをかけようとしたのだ。これは新競技規則でも禁止。指導陣からの伝達に誤りがあったようで、すぐさまベンチから「やっぱり入ったらダメ!」との声が飛んでいた。

 こうした前向きな“勘違い”を経ながら、選手たちの理解も徐々に深まっていった様子。橋岡は試合後、「最初は戸惑いもあったけど後半はスムーズにできたんじゃないかと思います」と口にしていた。

 また、攻撃側の選手がフリーでボールを受けることができるため、ポゼッション志向のチームは戦術的な幅がより広がることになる。それは「(ルール自体は)正直まだ分かっていない。相手が入っていたので難しかった」とこぼしていたDF三國ケネディエブス(福岡)もしっかり認識していた。

「スピードを上げずにゆっくり運びながら相手を引き寄せて、サイドバックに付けてそこからダイレクトで中に……というのも2本くらいやれたし、相手が来なかったらここからもっと運んで縦パスも付けられる。相手の状況を見ることが大事になる」(三國)。

 他のルールに関する周知も進んでいるようで、この日出場のなかったGK大迫敬介(広島)は壁の作り方に関するレクチャーも受けたことを明かし、経験を重ねながら「配置も少しずつ変わってくると思う」と変化の必要性を指摘。本大会まで1か月余り、新ルールへの適応も躍進への大きなカギになりそうだ。

(取材・文 竹内達也)

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