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U-16世代を代表するドリブラー、中村仁郎「久保建英選手のように、人をワクワクさせる選手に」

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U-16日本代表MF中村仁郎は14日のU-16ナイジェリア代表戦でゴールと勝利を目指す

 即答だった。

「久保建英選手のように、人をワクワクさせる選手になりたいです」

 U-16日本代表MF中村仁郎(G大阪ユース)は、世代を代表する左利きのドリブラー。12日に開催された「U-16インターナショナルドリームカップ2019 JAPAN presented by 朝日新聞」第1節のU-16ルーマニア代表戦ではボールを持つたびにドリブルで対面のDFをかわして見せるなど、右サイドからの仕掛けで何度もゴール前のシーンを作り出していた。

 ルーマニア戦は抜いた後に冷静さを欠いてしまった部分があり、強引に放ったシュートをDFにブロックされ、抜け出しから迎えた前半24分のビッグチャンスもGKに防がれてしまった。本人は13日の練習後、前日の試合について「まだまだ落ち着きがなかったかなと思います」と首を振っていたものの、魅せるプレーも、勝負を決めるような働きも期待できる世代のエース候補であることは間違いない。

 そのMFは今後目指す姿について問うと、間髪入れずに「久保選手」と回答。MF久保建英の日本代表デビュー戦となったエルサルバドル代表戦を他のU-16日本代表メンバーとスタンド観戦した中村は、「この前のA代表でも初めてでみんなから期待されている中であそこまで人をワクワクさせて、自分の良いプレーを出していた。メンタルの部分とか技術も自分はまだまだ劣っているので、追いつけたらなと思います」。インパクトを受けた2歳年上の逸材を目指してトレーニングしていく決意だ。

 本人はルーマニア戦でシュート技術やバリエーションが足りなかったことを課題に挙げていた。一方で、「キックフェイントとかシザースで抜いたり、そういうのは誰にも負けないとは思っているんで、これからどんどん強くしていきたいです」という。確かに、何度も相手DFの逆を取り、アグレッシブにゴールを目指し続ける姿は魅力的。ルーマニア戦に関してはやや利己的な部分もあったかもしれないが、それでもSBの攻撃参加を引き出したり、味方のシュートシーンに繋げたりするなど、攻撃の中心になっていた。

 中村は、日本代表としてのプライドをより強く持ってプレーする必要性を口にする。その上で自分の技術やセンスを発揮すること。14日のU-16ナイジェリア代表戦へ向けては「自分の得意なドリブルとか、昨日は決められなかったゴールを決めてチームに貢献したいです」。そして、注目ドリブラーは目標とする存在に近づくために技術面、メンタル面を貪欲に磨いて日本を勝たせる存在になる。

(取材・文 吉田太郎)

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