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胸に秘めるのではなく…U-22代表初招集の堂安律、仲間に伝えた“本気”

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U-22日本代表MF堂安律(PSV)

 この年代の主軸だった――。いつしか、活躍する場はA代表へと移っていたMF堂安律(PSV)は今回、U-22日本代表初招集を果たすことになった。

 17年5月、韓国で行われたU-20W杯。堂安はグループリーグ3試合で3得点を奪い、チームを決勝トーナメントへと力強く導いた。U-20W杯後の17年7月にオランダへと渡ると、1年後の18年8月にはA代表初選出。その後はA代表の常連としてプレーしてきた。U-20W杯から2年半、東京五輪世代の代表に名を連ねることはなかったが、今回は「(森保一)監督と良いコミュニケーションを取った」中で、「現時点でのU-22代表のベストメンバー」(森保監督)というU-22日本代表に初招集された。

 年代別代表でともに戦ってきた仲間との再会。「ワールドユース(U-20W杯)ぶりのメンバーと顔を合わせ、懐かしい感じというか、A代表でやっているときの感覚ではない感じがした」。しかし、その一方で「自分がやらないといけない」とも感じたという。「人にどう思われるとか、チームメイトにどう思われるかは関係なく、思ったことは伝えないといけない。それが本当に五輪のため、優勝するためだと思う」。

 A代表に招集され始めた頃とは、五輪に対する思いに変化も生まれ始めている。「正直、1年前くらいはA代表のことで精一杯だった。五輪は現実的に考えられないと、メディアの方にも伝えたと思う」。しかし、時が経ち、東京五輪本大会が近付いてくることで「込み上げてくるものある」と気持ちの変化を感じている。

「日本で開催される特別なもの。(16年の)リオ五輪でネイマールが出たブラジルが優勝したように、母国での開催は特別なものがある。優勝すれば、メダルを取れば、僕たちは日本のヒーローになれるんだということを皆が感じて、トレーニングしなくちゃいけない」

 その思いを胸に秘めるのではなく仲間にも発信した。前日、合宿地の広島に到着した堂安は夕食の席で、「本気で優勝を狙っている」と伝えたようだ。そして、その気持ちを一方通行にするのではなく、「常に伝えていかないといけないし、僕の気持ちをつなげていけるようにやっていきたい」と意欲を示した。

 17日に行われるU-22コロンビア代表戦は、目標を達成するための第一歩。U-22初舞台で、自身の存在価値をピッチ上で証明する。

(取材・文 折戸岳彦)
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