beacon

4年連続なでしこ得点王の田中美南、岩渕代役も不発…指揮官が指摘した課題

このエントリーをはてなブックマークに追加

2試合ぶりに先発したFW田中美南

[12.17 E-1選手権 日本女子1-0韓国女子 釜山九徳]

 無念の離脱を余儀なくされたエースの代役を任された。日本女子代表(なでしこジャパン)は負傷離脱したFW岩渕真奈に代わってFW田中美南(日テレ・ベレーザ)が2トップの一角で先発。2得点を挙げた初戦の台湾戦(○9-0)以来、2試合ぶりのスタメンだったが、無得点のまま後半24分にベンチへ下がった。

 今季のなでしこリーグではキャリアハイの20ゴールを量産し、4年連続の得点王に輝いた。なでしこリーグ5連覇中の女王で絶対的なエースを担うが、代表では今年6月に行われた女子W杯のメンバーから落選するなど、なかなか定着できていない。

 高倉麻子監督は「田中のストライカーとしての能力は国内でよく発揮されている。5年連続チャンピオンのベレーザでチャンスを数多く生み出す周りの選手がいる中、仕上げのところで秀でたものがある」とフィニッシャーとしての嗅覚を評価する一方、「インターナショナルレベルとドメスティックでは強度の違いがある。一つインテンシティーが上がってくると、力を発揮し切れないところがある。それはいつも課題として本人にも伝えている」と指摘する。

 岩渕、MF長谷川唯の2人が離脱した影響もあった。2戦5発で得点王に輝いた岩渕に関しては得点力だけでなく、「ボールを持ったとき、オンのときの体の強さ、ボールを運ぶところでチームにいいアクセントをもたらしてくれる」と評価する指揮官は「長谷川を含め、顔を上げてボールを運ぶ力というのは今日のメンバーでは足りないのかなと思った」と率直に語った。

 チーム全体として足りなかった推進力。その結果、前線の選手にもなかなかチャンスがめぐってこなかった。田中自身、「自分に足りないところは、自分で受けて、ゴールまで行くという部分。そこはもっともっとできるようにしないといけない」と自認。「自分をどう出すか、自分をどう表現するかは課題」と試行錯誤を続けている。

(取材・文 西山紘平)

●EAFF E-1選手権2019特集ページ

TOP