beacon

「自分の力不足」。U-16日本代表の10番FW内藤大和はファインゴールも敗戦を反省

このエントリーをはてなブックマークに追加

後半20分、U-16日本代表FW内藤大和(甲府U-18)が右足で追撃ゴール

[9.21 SBSカップドリームユース1回戦 清水ユース 3-1 U-16日本代表 草薙球]

 ファインゴールを決めたが、満足感は全くなかった。U-16日本代表のFW内藤大和(甲府U-18)は0-2の後半開始から出場。「0-2の状況だったので何か変えないといけないと思って」裏抜けの動きや前線から落ちて起点となる動きを繰り返した内藤は、0-3の後半20分にファインショットをゴールに突き刺した。

 右SB石川晴大(清水ユース)のグラウンダークロスに対し、ニアで右足ダイレクトシュート。難易度の高いシュートで鮮やかにゴールネットを揺らして見せた。このゴールは、昨年少なかったというニアで合わせての得点。クロスをニアで触る練習をしてきていたというストライカーがゴールで成果を示した。

 その余韻に浸ることなく「1点でまだ2点必要だったので嬉しいというよりももう1点、もう1点という気持ちでした」とすぐに2点目を目指してプレーした内藤だが、奮闘虚しく1-3で敗戦。「自分の力不足だと思います」と唇を噛んだ。

 それでも、森山佳郎監督は個人で何とかしようとしていた姿勢、プレーを高く評価。内藤は昨冬の敗戦をきっかけに個を磨いてきた選手だ。昨年12月に行われたU-15イングランド代表戦で0-5の敗戦。先発し、ハーフタイムに交代した内藤は、そこから意識を変え、4kg増量するなど肉体強化にも取り組んできた。

 内藤は山梨県リーグ1部の甲府U-15所属。プレミアリーグ勢のチームに所属する選手たちへの反骨心もエネルギーになっている。「僕はヴァンフォーレ甲府でリーグも県リーグなので他のガンバやプレミアであったり、いつものリーグ戦は強度が下がると思うんですけれども、その中でも自分でやっていけるものがあるので、一つ一つやっていきたいと思っています」。ライバルのFW南野遥海(G大阪ユース)への対抗心を持って成長してきた内藤は、まだまだ進化を続けてアジア、世界での活躍するFWになることを目指している。

 今大会の背番号は「チームでも全然つけたことがない」という10番。その重みを実感したFWは「チームを勝たせられないと意味がないので、チームを勝たせられる10番に」と決意を新たにしていた。今回のSBSカップドリームユースサッカーはあと1試合。次は自分のゴールでチームを勝たせる。

(取材・文 吉田太郎)

TOP