beacon

絶好の出場機会も無得点、FW鈴木武蔵が欧州でのレベルアップに決意「いまは大迫選手に勝てなくても…」

このエントリーをはてなブックマークに追加

日本代表FW鈴木武蔵(ベールスホット)

[10.13 国際親善試合 日本1-0コートジボワール ユトレヒト]

 絶対的エースとは異なる武器も見せたが、ゴールという結果をもたらすことはできなかった。日本代表FW鈴木武蔵(ベールスホット)は試合後のオンライン取材で「さらに成長しないといけない。毎試合結果を出せるよう考えてやって、さらに周りから成長したねと言ってもらえるように日々頑張ってやっていきたい」と述べた。

 今回のオランダ遠征では、スペインで華麗な復活を遂げたFW岡崎慎司が負傷のため招集を辞退し、絶対的エースのFW大迫勇也がチーム事情で途中離脱。唯一のFW登録選手となった鈴木にとっては、コートジボワール戦が絶好のチャンスだった。

 そうした意気込みは試合でもしっかりと表れていた。まずは前半2分、ペナルティエリア内右を打開してMF久保建英に正確なクロスを通すと、同6分にもポストプレーでMF伊東純也の突破をサポート。32分にもMF柴崎岳との連係で右サイドを攻略するなど、ときおり足下でのミスはありながらもダイナミックな攻撃を展開した。

 さらに後半は相手がやや主導権を握ってきた中、前線のスペースでカウンターの最先鋒となり、力強いボールキープから前を向く場面も。「動き出しを意識して、相手の脅威になる場所に走ろうと意識していて、何度かここに来ればというシーンもあった」(鈴木)。そうした推進力は大迫にはない武器だ。

 もっとも、欧州で経験を積み重ねてきた大迫に比べ、ハイレベルなディフェンス陣に対する経験不足が感じられる場面も目立った。DFエリック・バイリー(マンチェスター・U)とのマッチアップを振り返った鈴木は「入れ替わろうと思ってトラップしたけど、予測というか、相手のDFの感覚が長けていた。何十cmの世界だけど、もっと極めていかないと」と課題も語った。

 それでも今夏、念願だった欧州移籍のチャンスを掴み、いまはベルギーで経験を積み重ねられる環境にいる。「海外に来てよりハングリーになれた。いまは大迫選手に勝てなくても、自分が一番だと証明してやるという強い気持ちは代表に来てすごくある」とライバル意識を燃やした26歳はこの経験を糧に「チームに帰ってさらに得点できるようにやっていきたい」と成長を誓った。

(取材・文 竹内達也)

TOP