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勝負は“シュート練習”から始まっていた…代表デビュー戦2発の稲垣「いまできる範囲ではやれた」

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日本代表MF稲垣祥(名古屋)

[3.30 W杯アジア2次予選 日本14-0モンゴル フクアリ]

 日本代表MF稲垣祥(名古屋)が、A代表デビュー戦で2ゴールという大活躍を披露した。今季のJリーグでは直近4試合で3ゴールと量産中。W杯予選という大舞台でも「普段のプレーがそのまま代表につながっていると思った」と手応えを語った。

 ベンチスタートで迎えたカタールW杯アジア2次予選のモンゴル戦、出番は6点リードの後半19分に訪れた。ともに投入されたのはチームメートのDF中谷進之介(名古屋)。「二人で一緒に出られたことでグランパスサポーターも喜んでくれていたら嬉しい」。そんな思いも胸にフクアリのピッチに立った。

 すると投入からわずか4分後、最初のチャンスで結果を出した。ゴール前で巧みなポストプレーを見せたFW大迫勇也からパスを呼び込むと、ペナルティエリア際から右足を一閃。Jリーグでも見せているような精度の高いシュートをゴール右に蹴り込んだ。

 さらに後半アディショナルタイム3分には、MF伊東純也からの落としを受けて左足でゴール。そのまま終了のホイッスルが鳴り、日本代表チームにとってW杯予選歴代史上最多となる14点目を決めた選手として歴史に名を残した。

「点を取ってくださいという落としをしてくれたし、チームメートに感謝」。

 自らの2ゴールをそう謙虚に振り返った稲垣だったが、活躍の秘訣は合宿中のトレーニングにあったという。

「シュート練習をしていたので、どういうものを持っているかはみんなに見せることができていた。そこで持っているとなると落としてくれる。やりやすいように周りがサポートしてくれた」。

 ともに練習する期間の短い代表チームにおいて、初招集の選手が活躍するには自らの個性を周囲に理解してもらうことが不可欠。それができていたからこそ、2ゴールにつながるパスを受けられていたようだ。

 そんな稲垣をはじめ、モンゴル戦ではこれまで代表経験が少なかった選手も高いパフォーマンスを発揮していた。

 稲垣は「最初は遠慮の部分、固さはあったと思うけど、日が経つにつれていろんな会話ができたし、少しずつ自然体になってきて、練習から自分の良さを発揮できるようになってきていた」と国内組の成長を指摘しつつ、「それぞれがJリーグで活躍して、ストロングポイントを持って入ってきた選手。この代表でも特長やストロングポイントをアピールしながらやれていた」と手応えを語った。

 もっとも、この日の相手はFIFAランキング190位のモンゴル。「最低限だけどいまできる範囲ではやれたと思う」と振り返ったように、ここで終わるつもりはない。「レベルの差はだいぶあったので、もっともっと拮抗した試合で使ってもらえるようにこれから努力していきたい」。A代表デビューはあくまでもスタート。ここからJリーグに帰って成長を積み重ね、代表の戦力となっていくつもりだ。

(取材・文 竹内達也)

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