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A代表は異例の長期合宿、五輪&OA含む欧州組26人→欧州14人+国内10人の“2段階編成”に

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オンライン会見を行った日本代表の森保一監督

 日本代表森保一監督が20日、オンラインで記者会見を行い、5月下旬から6月中旬にかけて行われるカタールW杯2次予選3試合とキリンチャレンジ杯2試合に臨む日本代表メンバーを発表した。初招集選手はいなかったが、2017年12月のE-1選手権以来の復帰となったDF谷口彰悟(川崎F)が森保ジャパン初参加。3月シリーズを負傷辞退したMF坂元達裕(C大阪)も初めて合流する。

 今回の活動期間は5月24日から6月15日までの約3週間。新型コロナウイルスの影響で延期されていたカタールW杯アジア2次予選を消化するという名目で国際Aマッチウインドーが拡張されたことに加えて、規定期間外の5月下旬にも予選1試合が組まれたため異例の長期合宿となった。

 森保監督は「3週間になると集中を保つのも大変な期間になる」と今回の合宿の注意点を指摘。「一戦一戦100%の集中を発揮してもらわないといけないと思っているので、トレーニングでやりたいことをただ詰め込むのではなく、よりフレッシュな状態でプレーできるように少しでも工夫しながら、練習やオフザピッチの時間を過ごせるように考えたい」と述べ、厳格な感染対策の中でも選手たちのコンディション調整に配慮を行う姿勢を見せている。

 長期間のスケジュールと同様、メンバー編成も異例の枠組みとなっている。

 まず初戦にあたる5月28日のカタールW杯2次予選・ミャンマー戦(フクアリ)は国際Aマッチウィーク期間外のため、Jリーグ公式戦が組まれている国内組は招集不可。すでにシーズンを終えている欧州組26選手で臨むことになった。

 新戦力ではGK中村航輔(ポルティモネンセ)が19年12月のE-1選手権以来となる復帰で、ヨーロッパ移籍後初の代表招集。また所属先の検疫措置や負傷などで3月シリーズの招集を見送られていたGK川島永嗣(ストラスブール)、DF長友佑都(マルセイユ)、DF酒井宏樹(同)、MF原口元気(ハノーファー)、MF橋本拳人(ロストフ)、DF室屋成(同)、DF植田直通(ニース)も昨年10、11月の欧州遠征以来となる選出を受けた。

 またミャンマー戦には、U-24日本代表活動のため3月シリーズに参加していなかった五輪世代の招集も実現した。DF中山雄太(ズウォレ)、DF菅原由勢(AZ)、MF板倉滉(フローニンゲン)、MF三好康児(アントワープ)、MF堂安律(ビーレフェルト)、MF久保建英(ヘタフェ)は昨年の欧州遠征以来のA代表復帰。DF橋岡大樹(シントトロイデン)、MF遠藤渓太(ウニオン・ベルリン)は19年12月のE-1選手権以来の選出となった。

 ミャンマー戦は勝てば最終予選進出がかかる重要な一戦。それを終えると、チームは二手に分かれる。DF冨安健洋(ボローニャ)を含む五輪世代の9選手と、オーバーエイジとして東京五輪に出場することが決定的となったDF吉田麻也(サンプドリア)、酒井、MF遠藤航(シュツットガルト)の3選手がU-24日本代表の活動に合流。一方、6月の4試合に臨むA代表には国内組10選手が新たに加わり、欧州組14人との混成チームとなる。

 国内組では谷口が2017年12月のE-1選手権以来の復帰を果たした他、DF昌子源(G大阪)も19年6月のキリンチャレンジ杯2試合以来となる久々の選出。吉田、冨安の両センターバックの穴を埋める。また3月シリーズの初招集組ではDF山根視来(川崎F)、DF中谷進之介(名古屋)、DF小川諒也(FC東京)、MF川辺駿(広島)の5選手が生き残りに成功。負傷辞退となった坂元も再び呼ばれた。

 その一方で、3月シリーズで招集されていたGK西川周作(浦和)、GK前川黛也(神戸)、DF畠中槙之輔(横浜FM)、DF松原健(横浜FM)、MF江坂任(柏)、MF稲垣祥(名古屋)、MF脇坂泰斗(川崎F)は選外。負傷辞退のMF原川力(C大阪)も選ばれなかった。また欧州組では活動期間中にラ・リーガ昇格プレーオフなど公式戦を控えるMF柴崎岳(レガネス)も3月シリーズに続いて招集を見送られた。

 選考を行った森保監督は「日本代表の初選出選手はいないが、私が監督になってからの代表には谷口ら新たに加わった選手もいる。選手全体、チーム全体に少しでも戦術の浸透ができるよう、ベースの部分の確認作業をしっかりやっていきたい。コンセプトの部分をどんな相手にもしっかり出せるように、より高いレベルでピッチで実践してもらえるように、トレーニングのところから選手に要求しながら戦いに臨みたい」と意気込みを語った。

(取材・文 竹内達也)
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