beacon

移籍金40億円報道も…MF鎌田「ただステップアップすればいいという話じゃない」

このエントリーをはてなブックマークに追加

日本代表MF鎌田大地(フランクフルト)

 日本代表MF鎌田大地(フランクフルト)は今季、ブンデスリーガで5ゴール12アシストを記録し、かねてより重視していた指標「スコアポイント」(得点+アシスト)において、目標の15を達成した。またチームとしてもUEFAヨーロッパリーグ圏内の5位でフィニッシュ。欧州4シーズン目の24歳にとって、大きな飛躍の1年となった。

 なかでも12アシストはMFトーマス・ミュラー(バイエルン)、MFフィリップ・コスティッチ(フランクフルト)に続くリーグ3位の数字。鎌田は「得点数は思ったとおりには伸びていない。あと2、3点伸びていればパーフェクトだった」と悔いも語りつつも、「チームとしてすごく良いシーズンを過ごしたし、乗っかって自分もある程度良い成績を残せた。総じて良いシーズンだった」と前向きに振り返った。

 現地ではこうした鎌田の活躍を受け、クラブが約40億円の移籍金を設定したという報道もなされ、移籍先候補としてトッテナムやセビージャといった世界有数クラブの名前も浮上している。

 もっとも、当の本人はこの喧騒を冷静に受け止めているようだ。

 鎌田は24日、日本代表合宿2日目のトレーニング前にオンライン取材対応を実施。「ステップアップはサッカー選手になる前から常にしたいと思っていたけど、タイミングとかそれ以外にもいろいろな問題がある。ステップアップは毎年したいと思っていて、昨季もできる可能性はあったけど、それよりもフランクフルトにいるほうがいいと思って残った」と明かしたうえで、「いまは残って良かったと思える成績を残せた。いろんな状況を見てみないといけない。ただステップアップすればいいという話じゃない」と強調した。

 また自身が目指すべきクラブのレベルと同様、今後の目標設定についても高すぎるハードルを課すつもりはないという。

「毎年15のスコアポイントを取れるくらいの結果を残せるようにというのが一番。得点が多くてアシストが少なくても全然いい。いまは10番のポジション(トップ下)をやっているけど、フォーメーションやチームのやり方で求められるものが変わる」。

「今年は(アンドレ・シウバという)得点を取る選手がいて、自分はその前でアシストをしたり、もう一つ前のパスでチャンスを作ったりと、クリエイティブな部分を求められていた。アシスト以外にもいいプレーはいっぱいあったと思うし、チームとして求められているものをうまくできて、そこにアシストと得点がついてきた」。

 今季のチーム状況と自身のパフォーマンスをそのように関連づけた鎌田は「今年はこういうやり方が合っていたと思うけど、チームのやり方が変わればやり方も変わる。自分としては毎年15くらいのスコアポイントが取れる選手になりたい」と今季水準の実績をコンスタントに残すことを目指していくようだ。

(取材・文 竹内達也)
●カタールW杯アジア2次予選特集ページ

TOP