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「失うものは何もない」「年下じゃないなという…」。“飛び級”MF松木玖生がU-20代表でも目立つ存在へ

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U-18世代のMF松木玖生(青森山田高)がU-20日本代表候補合宿でアピール

 松木玖生は、年上の中でも目立つ――。01年生まれ以降の選手たちで構成されたU-20日本代表候補が5月31日から千葉県内で強化合宿を行っている。6月1日午前は約1時間強のトレーニング。ウォーミングアップ後に3対3プラス2フリーマンやGKを含めた6対6、9対9を行った。

 今回のU-20日本代表候補合宿には、U-18世代からMF松木玖生(青森山田高)とFW千葉寛汰(清水エスパルスユース)が“飛び級”で参加。ともにプレミアリーグEASTで得点ランキング首位タイの7得点を挙げるなど活躍している2人の高校生は、Jリーガーと大学生中心のU-20代表候補合宿でも堂々の動きを見せていた。

 特に、高いレベルの環境、強度、スピード感を求める松木は、年上の選手たちとの競争を歓迎。「より高いレベルでできていることに感謝していますし、自分にとって2個上のカテゴリーなので失うものは何もないですし、チャレンジしながら良い雰囲気でできていると思います」と微笑んだ。

 1日午前は守備面を重視したトレーニング。その中で「自分はそんなに足元がある方ではないので、長所であるボール奪取力だったり、運動量というところでこの代表期間でも常にアピールできれば良いと思っています」という松木は、年上との球際バトルで競り勝ち、また9対9ではFWブワニカ啓太(千葉)へ決定的なクロスを通すなど、攻撃面でも目立つようなパフォーマンスを見せていた。

 一方で影山雅永監督や冨樫剛一コーチの助言を逃すことなく聞き取り、すぐに表現。「もっと世界で活躍できるように全てに置いての質だったり、球際だったり、スプリントだったり、サッカー選手としての色々な質に一番こだわっています」というMFは貪欲だ。

 昨年は青森山田の中盤でバランスを取るプレー、周りを活かすことに意識を傾けていたが、今年はより攻撃的な役割を担う。U-20代表候補でも求めるのは、「守備だけでなく、攻撃で結果を残せるプレーヤーにならないといけない」ということ。そのレフティーは結果を残して、パリ五輪世代の同チームでも目立とうとしているようだ。

 その野心を「もちろん、持っています」と頷いた松木は、「カテゴリーは全く関係ないと思っているので、常に上のレベルに自分は行きたいと思っていますし、ここでできないと自分が将来どこに行くか分からないですけれども、世界で戦う上ではこのレベルではしっかり目立って、自分も引く気にならないでガツガツ要求していったり、『年下じゃないな』という雰囲気も漂わせながら、やっていきたいなと思っています」と言い切った。

 同じU-18世代の千葉は、午前トレーニングでDF鈴木瑞生(筑波大)の左クロスからヘディングシュートを決め、鋭いミドルシュートを放つなどこちらも存在感。松木は「切磋琢磨できる仲間が近くにいる。ライバル意識を持ちながら凄く自分も刺激になっている」というように千葉の存在や、先輩MF安斎颯馬(早稲田大)の存在もエネルギーにして3日までの合宿でアピールする。

 青森山田は今季、プレミアリーグEASTで圧巻の開幕7連勝。この合宿後は開催中のインターハイ予選に臨む。「インターハイ予選が青森県でも開催されているので、まずはこのU-20であと2日間ありますけれども、吸収したものを自チームに戻って伝えて行って、インターハイでもより良い結果を求めて、プレミアでも7連勝しているので、そこはブラすことなく、自分たちの目標である3冠に向かって頑張っていきたいです」。U-20代表候補合宿でさらに目立ち、自身の質を高めて、青森山田での挑戦を再開する。

(取材・文 吉田太郎)

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