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3月に年代別代表候補初選出、さらに“飛び級”のDF吉田温紀は「練習で100%」にこだわってより上へ

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U-20日本代表候補CB吉田温紀(名古屋U-18)が相手のマークを外す

[6.10 練習試合 U-20日本代表候補 3-6 全日本大学選抜]

 手応えを得た以上に、レベルアップの必要性を痛感した4日間だった。U-18世代からU-20日本代表候補へ“飛び級”招集されたDF吉田温紀(名古屋U-18)は、10日の練習試合で2本目途中から約70分間出場。4バックのCB、ボランチ、3バックの右ストッパーと3つのポジションでプレーした。

 トレーニングでは判断よくボールを奪う部分や、攻撃時の精度、キープ力の高さなどを発揮していた印象だ。だが、練習、試合で感じたというプレースピードや強度の違い。練習試合の2本目はそつなくプレーしていたが、3本目には中盤でボールを失い、そこから決勝点を奪われてしまった。

「全然判断も遅くて、ボランチでは自分のミスから失点したり……。ボールを受ける前から周りを見たり、遠いところから見ることで判断を速くしたり、ボールを前に運べると思うので、もっと判断を速くしてやっていけないと感じました」。加えて、2歳年上の中でも戦うための判断力やボールを奪い切る力、運動量、体作りの部分も課題に挙げていた。

 昨年まで年代別日本代表歴がなかった吉田だが、今年U-18日本代表候補に初選出され、U-20日本代表候補へ“個人昇格”。昨年から名古屋U-18で先発を任され、「チームの代表として戦わないといけないという、覚悟や責任」が身についたことが飛躍のきっかけとなった。

 そして今年は「本当に自分がトップで戦うためにやって行こうという覚悟」が、自分のプレーのレベルを引き上げ、試合でチームを勝たせられるようになった。自分の立ち位置や成長するための環境をさらに変える半年間に。だが、吉田は今回のU-20日本代表候補合宿を経てまだできることがあることを感じ取っていた。

「まだまだ全然できると思うので、(ロールモデルコーチの)内田篤人さんのミーティングでも言っていたんですけれども、『練習で100%やらないと試合でも活躍できない』と思うので、自チームでも自分が先頭に立って、みんなを引っ張って、一日一日成長していきたいと思います」と力を込めた。

 ドイツの強豪・シャルケでレギュラーとして活躍した内田ロールモデルコーチの言葉は吉田の心に強く響いたようだ。「本当に海外では練習から100%で戦うというところで、まだまだ自分の意識の低さだったり、練習の取り組みは甘いんだなと感じさせられました」。“本当の100%”で練習することで自分自身、そしてチームのポテンシャルもさらに引き出すことができるはず。飛躍を続ける万能型DFは、この代表チームに戻ってくるため、そして活躍してさらに上のステージへ行くための日々を過ごす。

(取材・文 吉田太郎)

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