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ボランチ争いで“異質”な存在感…MF川辺駿が掲げる今後のテーマ「スタンダードの強さを」

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MF川辺駿(広島)

[6.15 W杯2次予選 日本5-1キルギス パナスタ]

 フィジカル派の比率が増えている森保ジャパンのボランチ争いにおいて、異質の良さをアピールすることに成功した。キルギス戦に先発出場したMF川辺駿(広島)は1-0で迎えた前半31分、FWオナイウ阿道の2点目を演出。坂元とのパス交換から右サイドで複数のDFを振り切り、PA内に進入。折り返したところにオナイウが合わせた。

「横パスを自分の前につけて、そのままチャンスがあったので行った。うまく抜け出して、GKとDFの間に良いボールを入れられた。阿道がそこに入ってくると思った」と、狙い通りの崩しだったと振り返った。

 7日のカタールW杯アジア2次予選・タジキスタン戦では日本代表初先発を果たし、初ゴールも決めた。11日のセルビア戦は0-0で折り返した後半から出場して攻撃のリズムをつくり、1-0の勝利に貢献した。6月3日のU-24日本代表との親善試合にも出場しており、3月25日の日韓戦でA代表デビューを飾ってから、派手さはないものの着実に自身の良さをピッチで出せるようになっている印象がある。

 締めくくりのキルギス戦でも持ち味を出し、川辺は「今回は結果が必要だったので、まずはそこを出せたのは良かった。(3列目からの飛び出しは)ボールをうまくさらすところの良さが出せている」と胸を張った。

 一方で、課題として挙げたのは守備面。「自分が奪い切る力が必要になるし、気持ちやフィジカルももっとあげていかないといけない」と、9月から始まるアジア最終予選に生き残っていくための道筋を思い浮かべる。

 MF柴崎岳が不在だった今回、ボランチとして招集された顔ぶれは、OA枠としてU-24日本代表に行った遠藤航も含めて球際の強さを武器としているタイプがほとんどだった。川辺自身、他の選手とは異なる持ち味を表現していくためにも、「まずは試合に出るために、スタンダードの強さというものを身に着けていかないといけない」と自覚を深めた様子だ。

 とはいえ、2次予選の終盤に来て、頭角を現していくための足掛かりをつかめたことには意義がある。攻撃のアクセントとなることのできるタイプのボランチ枠を日本代表に1枠作れるか。まずは自身の成長がカギになっていく。

(取材・文 矢内由美子)
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