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問われるコンディション調整…森保監督はACL組に配慮「心身とも疲労していると思う」

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DF旗手怜央(川崎F)、MF三笘薫(川崎F)、MF相馬勇紀(名古屋)

 日本代表森保一監督は22日、東京五輪に臨むU-24日本代表メンバー発表会見の場で「選手の状況を見て、トレーニングの強度を考えながら初戦に向けてコンディションを上げられるようにしたい」と述べ、大会直前のコンディション調整の難しさを語った。

 森保監督は「全員、同じコンディションの選手が揃って活動できるわけではない。欧州で活動している選手たちはオフ明けでキャンプに入るし、Jリーグの選手たちはシーズン中の戦いを通して五輪に合流する。またACLの選手はホンジュラス戦あたりでチームに合流することでスケジュールが組まれている」と述べ、急遽日程変更が行われたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の影響も指摘した。

 当初、Jリーグ勢が参戦するACL東地区のグループリーグは4月21日から5月7日に開催される予定だった。ところがAFCの決定により、日程が6月21日から7月11日に変更。7月22日に開幕を迎える東京五輪の直前まで、ACL参加選手たちはクラブチームでの活動に帯同する形となった。

 五輪代表メンバーでACLに参加するのは3選手。川崎フロンターレのMF田中碧(川崎F)は移籍交渉のため参加しないことが決まったが、DF旗手怜央(川崎F)、MF三笘薫(川崎F)、MF相馬勇紀(名古屋)が該当する。加えて、バックアップメンバーのDF瀬古歩夢(C大阪)にも影響がありそうだ。

 名古屋のグループGとC大阪のグループJはタイ・バンコクでグループリーグを開催。名古屋が7月7日、C大阪は同9日に最終節を迎える。また、打撃がより大きいのはグループIの川崎F。ウズベキスタン・タシケントでグループリーグが行われており、最終節は同11日にまでもつれ込む。

 今月6日の時点でJFAの反町康治技術委員長は「基本的にはグループリーグを終えてから参加してもらうことになると考えている」と述べ、感染対策などの兼ね合いもあり、グループリーグが早期決着しても即座の帰国には否定的な見解を示していた。その場合、3選手は7月12日に壮行試合として行われるキリンチャレンジ杯・U-24ホンジュラス戦の出場も難しくなる。

 森保監督はこの日の会見で「ACLで集中開催で戦っているということは心身ともにプレッシャーのかかった疲労度の高い戦いをしていると思っている。まず戦う過程で何が起きるか分からないので、選手たちのプレーの状況をしっかり把握したい」とACL組の動向を慎重に見極めていくといい、「合流してくれたあとは心身ともに疲労していると思うので、どの程度練習できるかは読めないところがあるが、まずはしっかりリカバー、リフレッシュしてもらいながら東京五輪に向けて戦力となってもらえればと思っている」と慎重にコンディショニングしていく方針を示した。

 また欧州組、国内組と現状のコンディションが異なる選手の調整についても「一様に全体をプランどおりにコンディション調整できるかというと難しいこともある。選手の様子を見ながら、リフレッシュしながら、南アフリカ戦に良い状態で向かっていけるように、現時点でベストなコンディションで臨めるようにチームの活動を進めていきたい」と慎重に述べた。

 なお五輪代表活動には松本良一氏、矢野由治氏の両コンディショニングコーチが帯同。「本大会がスタートしたら中2日で高温多湿下で試合をしないといけないのが五輪の特徴だが、コンディション調整がかなり鍵になるかなというところで、そういう面での選出もある」と説明した反町委員長は「日本の選手は欧州の選手、他の国の選手に比べるとこの状況下に慣れているので、ホームのアドバンテージもうまく活かしていけたら」と狙いを語った。

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