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なでしこ、男子高校生とドローで手応え…高倉監督が出したリクエスト「苦労すると分かりながらのトライ」

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八千代高とトレーニングマッチを行ったなでしこジャパン

 日本女子代表(なでしこジャパン)は4日、千葉県内で八千代高とトレーニングマッチ(45分×2本)を行った。前半をスコアレスで折り返した試合は、後半30分に八千代に先制を許しながらも、同40分にMF遠藤純がスーパーミドルを叩き込み、1-1の引き分けに終わった。

 なでしこは4-4-2のシステムを採用し、GKに山下杏也加、最終ラインは右からDF清水梨紗、DF宝田沙織、DF南萌華、DF宮川麻都、ドイスボランチにMF三浦成美とMF林穂之香を配置。サイドハーフは右にMF中島依美、左にMF長谷川唯、2トップはFW菅澤優衣香とFW岩渕真奈が形成した。

 1、2年生が主体となった八千代に序盤から主導権を握られ、フィニッシュに持ち込まれる場面を作り出される。「前から勢いを持って来てほしいとお願いしていた」(高倉麻子監督)とのリクエスト通り、八千代は前線から素早いプレッシャーで自由を奪いにくる。激しいプレスに後手に回ったなでしこは、ボールをなかなか前へと運べなかった。

 ゲームを組み立てるボランチの三浦や林にボールが入れば、数人に囲い込まれてショートカウンターを浴び、最前線に入る菅澤は孤立することに。しかし、「苦労すると分かりながらのトライ。その中で選手がどう耐えながら、自分たちの時間にしていくか選手と共有していた」と指揮官が語ったように、徐々にプレッシャーに慣れると敵陣へとボールを運ぶ回数を増やしていく。

 前半25分には岩渕のパスから右サイドを駆け上がった清水のクロスを菅澤がボレーで狙い、同26分には岩渕のパスに反応した長谷川がフィニッシュに持ち込むなど、攻撃の形を作り出す。また、守備面でも劣勢に立たされながらも得点を許さずに試合を進めたことで、「何とか耐えながら失点せずに進められたことは収穫。プレスを外したときは自分たちの良い形が作れたこともポジティブな要素」と手応えも得ることになった。

 後半に入ると、菅澤に代えて遠藤を投入。同4分には山下のコントロールミスをつかれて危機を招くなど、後半も押し込まれる時間帯が続くが、粘り強い対応でゴールを許さない。同18分には宮川、林、岩渕に代えてDF三宅史織、MF杉田妃和、FW籾木結花、同21分には山下に代えてGK平尾知佳をピッチへと送り込んだ。

 後半22分にはなでしこがゴールを脅かすが、ショートコーナーから中島が送ったクロスにフリーで反応した宝田のヘディングシュートは惜しくもゴール右に。すると、同30分、相手に単独でPA内まで持ち込まれると、ネットを揺らされて先制点を献上してしまった。

 1点のビハインドを背負うと、後半32分に三浦に代えてMF木下桃香を投入。中島をアンカーに配し、2列目は右から木下、長谷川、籾木、杉田、1トップに遠藤が入った4-1-4-1にシステムを変更する。最後までゴールを目指すと、同40分、PA外でボールを受けた遠藤が左足を一閃。勢いよく飛び出したボールはゴールネットに突き刺さり、スーパーゴールでなでしこが同点に追い付き、試合は1-1の引き分けに終わった。

 6月29日の日体大柏高戦(○1-0)に続いての、男子高校生とのトレーニングマッチ。高倉監督は「貴重な時間を頂いて、真剣にトレーニングマッチに来て頂いたことに感謝」と感謝を示しつつ、「クロスの対応や最後の最後でやらせない部分の集中力は上がったと思う。良いトレーニングマッチを組めて、良い時間を過ごせたのは間違いない」と充実した表情を浮かべた。

 今後は14日にオーストラリアとの国際親善試合を行い、21日に東京五輪本大会初戦カナダ戦を迎える。「約2週間の合宿が終わったけど、攻守ともにトレーニングを重ねられたのはチームにとって良い時間だったし、共通認識もさらに上がってきた。チーム全体の雰囲気も良くなったと思うので、試合に向けて継続して進んでいきたい」と、限られた時間の中でさらなる進化を遂げていく。

(取材・文 折戸岳彦)
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