バックアップメンバーから“昇格”し、五輪出場の可能性は広がった。だが、22人の内、ベンチ入りできるのは18人のみ。U-24日本代表FW林大地(鳥栖)は、気を引き締め直して、自身をレベルアップさせようとしている。

　初招集は今年の3月だった。「代表活動に呼ばれたことがなかったのでビックリした」と驚きを隠せなかったが、アルゼンチン戦では体を張ったプレーで攻撃の基点となり、激しいプレッシングで守備でも貢献。さらにゴールも奪うなどアピールを成功させた。続く6月シリーズでも選出されて持ち味を発揮したものの、6月22日に発表された東京五輪メンバー18人の中に林の名前はなかった。

　バックアップメンバーとして帯同する予定だったが、本大会メンバーの枠が18から22に広がったことで、五輪本大会のピッチに立つ可能性は広がった。しかし、「本当にギリギリまで残ったという印象」というように、本人は危機感も持っている。

「東京五輪のメンバーには入ったけど、このまま何もなかったら、一試合も出れないこともあり得る。バックアップという立場から22人になったけど、短い期間で自分の立ち位置を少しでも上げて、試合に絡めるようにアピールし、結果も残していかないといけない」

　現在、“ライバル”となるFW上田綺世(鹿島)とFW前田大然(横浜FM)は別メニューで調整中。12日にはU-24ホンジュラス戦が予定されており、林に懸かる期待は大きくなっている。

「FWなので、一番は得点を取ること。そういったところを練習からアピールしていかないといけない。しっかり練習から違いを見せることが大事だと思う」。試合に出場してアピールを成功させるためにも、まずはトレーニングから自身の存在価値を証明していく。

(取材・文　折戸岳彦)

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