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U-24日本vsU-24メキシコ 試合後の森保一監督会見要旨

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U-24日本代表を率いる森保一監督

 U-24日本代表は25日、埼玉スタジアムで開催された東京五輪グループリーグ第2節でU-24メキシコ代表と対戦し、2-1の勝利を収めた。試合後、森保一監督が公式会見に出席した。

以下、森保一監督会見要旨。

「まずはメキシコ戦に挑む選手たちの準備は、直近の南アフリカ戦から中2日でしたが、勝利したあとも一喜一憂しすぎることなく中2日の期間で回復する選手、出場時間の短かった選手、出場できなかった選手については良いトレーニングをしてくれて、チーム全体でメキシコ戦に臨めたと思う。挑んでいく準備は落ち着いていて、良かったと思っていた。この試合については、FIFAランクではメキシコの方が上位にいるが、選手たちがチャレンジすることを忘れず、試合の入りからアグレッシブに戦う、我慢強く戦う、賢く戦うということを状況に応じて意思統一しながら戦い抜いてくれた。最後、数的優位になっていた状況の中で押し込まれたというところはあったと思うが、相手も非常にパワーをかけていたし、世界大会でそんなに簡単に勝たせてくれない厳しさの中で、選手たちがまた1つ成長してくれて、1つ苦しい戦いをチーム一丸となって勝利をつかみ取るということをしてくれたと思う。選手たちが試合に向けてしてくれた準備、そして試合の中での戦いを称えたい。しかしながら、決勝トーナメント進出が決まったわけではないので、喜びながらも、次の試合に向けて最善の準備をすることを忘れずしていきたい。選手たちのモチベーションの中で、無観客ではあるが、テレビを通してサポーターが応援してくれることを心強く感じながら、ひたむきに最後まで戦うということを届ける、そして見て下さっている、応援して下さってくれる方に元気を届けようと戦い抜いてくれたと思う」

――久保選手が2試合連続で非常に試合を動かすような働きをしているが、彼の大舞台で見せている姿への評価は?
「久保建英のプレーだが、非常に試合を決定付けるような大きな仕事をしてくれていると思っている。その前に、彼は攻撃が特長の選手だと思うが、チームの戦いに貢献するハードワークをしてくれていて、チームのために走って戦うところ、守備も非常に頑張ってくれながら攻撃の良さを出してくれて、試合を決定付ける仕事をしてくれていると思う。先ほども言いましたが、世界と同じ目線で戦うということ、そこも仲間と共にチームを引っ張って実践してくれていると思う」

――日本人と体格がそんなに変わらないメキシコに勝ちたいと多くの関係者が思っていたと思う。特に前半に点を取るまで攻守において勝っていた場面もあり、試合にも最終的に勝った。1つ日本のサッカーが階段を上ったと思う。また、金メダル取るためにどれだけの階段が残っていると思うか。
「選手たちの経験値がまず非常に上がっているということが、言えるかなと思っている。そして、選手たちが目標とするところ、志すところがやはり世界に勝っていくところが基準にあり、目の前の試合を戦っているという部分は、日本のサッカーの経験値が上がっているということ、そしてレベルアップしているということが言えると思う。今日の試合においても、選手たちが持っている技術力であったり、モビリティーの能力であるところの、いわゆる日本人の良さの部分に加え、選手たちがパワーの部分でも、球際のところで負けないということ、勝っていくという部分、コンタクトの部分でも力強く相手と対等以上に渡り合うというところを、普段の選手たちの所属チームでの活動の中からも当たり前のようにやっているということが今日の試合にも出ていた。いま我々が選手のスカウティングをしている、海外に行っている選手ですでに60人くらいスカウティングは常にしている。そういった意味では、世界で戦うということを当たり前のように選手の中にあって、今日の試合にもそれが現れていると思っている。もちろん海外に行けばいいというものではないが、選手たちの基準が世界基準になっていることは今日の結果、プレーの内容に出ていたと思う。先制まではという話をされていたが、その後はある程度押し込まれる展開というのも、選手たちは我慢強く、賢く戦うということ、最終的に1失点してしまったが、粘り強く守備をしながら、攻撃で決定機を作っていくということ、3点目は決め切ることができなかったが、試合の戦い方としては、非常に賢い戦い方を選手たちはしてくれていたので、そういった部分は、世界のサッカー大国と戦っても、相手の嫌がる戦い方、自分たちの良さを出す戦い方ができるということを冷静に選手たちがやってくれたと思う」

――本番前から林選手が1トップで使われている。自由に動く堂安選手や久保選手をよく見て、彼らの良さを引き出しながら自分の良さもだしていると思うが、彼が2列目に与えている影響と、その評価は。
「彼がこのチームに加わってきてくれて、非常に成長を見せてくれていると思っている。これまでの我々のスカウティングの中で、彼は背後に抜け出してゴールに向かっていくことが一番の特長と思っていた。だが、今は前線でポストプレーをしながら、2列目以下の選手たちのプレーを引き出している部分、ゴールに向かうという特長を生かしながらも攻撃の基点となり、潰れ役になってマイボールにする。相手を自由にさせない、我々に流れを引き込むプレーをしてくれていて、非常にプレーの幅も広がっていて、レベルアップしてくれている。事前合宿から、かなり練習では前線の関わりのトレーニングをしてきたが、お互いの信頼関係がトレーニングごと、日を追うごとに上がってきていると思っている。我々がここから勝ち進むにあたり、選手たちが考えてくれているのは、今の自分たちよりも常に次の試合の自分たちの方が成長しているというところ、常に成長しながら結果を出していくというところ、全員の選手が考えながら、良いチャレンジをしてくれていると思う」

(取材・文 折戸岳彦)
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