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「皆さんも分かると思うけど…」エースも絶賛した18歳MF木下桃香の可能性

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なでしこジャパンMF木下桃香

[7.27 東京五輪GL第3節 日本女子 1-0 チリ女子 宮城]

 五輪デビューを飾った18歳。なでしこジャパン(日本女子代表)MF木下桃香は初の大舞台にも動じることはなかった。

 自力で決勝トーナメントに進出するには、勝つしかなかった。序盤から攻勢をかけたものの、チリゴールをこじ開けるには至らない。すると、0-0で迎えた後半21分、木下に出番が巡って来る。高倉麻子監督から「思い切ってやってこい」との言葉をかけられて送り出され、自身も「思い切ってゴールにつながるプレーをするのが自分の役割」と任務を遂行しようとしていた。

 初の舞台にも「そこまで緊張せずに入れた」というように、ゴールに迫ろうとする意欲を前面に押し出す。ボールを受ければ、果敢に仕掛ける。一度止められても、そこで下を向かない。何度も何度もチャレンジすることで、チームに良いリズムが生まれていったのは間違いなかった。

 その姿勢にFW岩渕真奈も賛辞を贈る。「ボールをつなぐだけでなく、どこかで仕掛けることの大切さは、今日の試合で皆分かったと思う。彼女が持っている才能は素晴らしい。今日のプレーを見たら、皆さんも分かると思うけど、今後なでしこを代表する選手になってくれると思っている」。

 そして、指揮官も「まだ若くて線は細いが、圧倒的な技術力やゲームを読む力を持っている。守備を固められた中で、一つ穴をあけられるプレーがあればと期待して起用した。よくプレーしてくれた」と、そのプレーぶりを称賛した。

 1-0の完封勝利を収め、自力での決勝トーナメント進出を決めた。試合の流れを引き寄せる役割を担い、「チームとして勝てたのは本当に良かった」と喜びを表しつつ、「でも、自分がゴールやアシストという数字を残すことが一番だと思うので、まだまだやらなければいけない」と気を引き締め直し、さらなる成長を誓った。

(取材・文 折戸岳彦)
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