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U-24日本vsU-24メキシコ 試合前日の森保一監督会見要旨

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U-24日本代表を率いる森保一監督

 U-24日本代表を率いる森保一監督は5日、翌6日に埼玉スタジアムで開催される東京五輪・3位決定戦U-24メキシコ代表戦の公式会見に出席した。

 以下、会見要旨

森保一監督
「明日の銅メダルをかけてのメキシコ戦ですが、まずチームとして銅メダルをつかみ取るという強い気持ちを持って試合に臨みたいと思う。そして、これまでの五輪、直近のスペイン戦での戦いの中で選手たちがかなり蓄積疲労があると思うが、少しでも心身ともにリフレッシュしてもらい、これまで同様、チーム一丸となって最後までタフに粘り強く戦い抜くということを表現してほしい。選手たちには、個々が持っている能力を思い切り発揮する、チームとして力を発揮することを、これまでやってきたことを明日の試合にも全て出してほしいと思う」

――メキシコとは今大会すでに一度戦っている。また、最後にメダルを獲得した五輪で、今回とは逆のシチュエーションで銅メダルを取った。日本がお手本として追いかけてきたチームと戦い、銅メダルをとることが、どういう意味があると考えるか。
「メキシコは世界のサッカーの強国だと認識している。W杯でも常に良い結果を残して、決勝トーナメントにも常に進んでいるチームだと思うし、五輪でも過去に優勝の経験のある、世界のトップを走っているグループのチームだと認識している。我々もメキシコのように世界のトップグループに入っていけるように、メキシコのサッカーは日本にとっても非常に参考にするところが多いと思うので、彼らから多くのことを学び、我々が世界に追いつき、追い越せというところの実現に向けていきたい。明日の戦いだが、過去の歴史を踏まえても銅メダルを争ったことがあるということ、彼らにとってのモチベーションになると思うし、今回の五輪についてもグループリーグですでに我々が勝っているというところにおいても、彼らが悔しさをバネにモチベーションに変えてくるというところは想像できる。そこは厳しい戦いになるということを、難しい戦いになるということを覚悟しながら、選手たちには戦いに臨んでほしいと思う。彼らの悔しさをバネにするというモチベーションはもちろん考えて臨むが、我々の選手たちには銅メダルをつかみ取るんだという強い気持ちを持って試合に臨んでほしいと思う」

――明日、8月6日は広島に原爆が落ちた日。日本としては辛い経験をしたということを通して世界に平和を祈る日になっている。監督はもう一つの原爆が落ちた長崎で育ち、広島で仕事をされていて深い縁がある。平和の祭典の五輪で、8月6日に試合をすることについて、どういう思いを持って臨むか。
「明日、8月6日は世界で初めて広島に原子爆弾が投下され、多くの尊い命が失われ、そして大切な人々の街や生活が失われてしまった日でもあると思う。今もなお、心の傷を負って、多くの人が生活をしているということを世界の多くの皆さんと共有できれば幸いです。五輪については私自身、平和の祭典ということで認識もしている。この五輪の期間中に、8月6日に広島が原子爆弾が落とされて、多くの人の尊い命が失われたということ、街が破壊され、今もなお傷ついている方が多くいることを知っていただき、また8月9日には長崎にも同様に世界で2つ目の原子爆弾が投下され、同じようなことが起きた。この五輪の、平和の祭典の期間中に8月6日がくるということは、平和の祭典である五輪をやっている中で、平和について、アスリートやスタッフ、関係者の皆さん、そして世界の皆さんと平和について考えるいい機会になると思っている。平和であるからこそ、こうやってスポーツの祭典ができる、スポーツができる。平和であるからこそ、自分の大好きなことをやることもできるということ、この平和ということを噛み締めて、この五輪、最後まで臨みたいと思うし、明日の試合に臨みたい。そして、世界中で戦争や紛争で命が失われたり、生活を脅かされている人たち、そして心が傷ついている人たち、たくさんいると思う。世界に平和が本当に訪れて、人々が安全で安心な暮らしができるように、そして心穏やかに生活できるように、そういう世界になることを、私自身、祈り、願っている。明日の8月6日の8時15分は私自身、黙祷を捧げ、亡くなった方々に改めてご冥福をお祈りするとともに、心が傷ついて今もなお生活している人たちに対して、少しでも心穏やかに過ごせるように、心の傷が少しでも癒えるようにと願いながら、お祈りを捧げたいと思っている」

――A代表を混ぜてしまうのはふさわしくないかもしれないが、96年に対戦してから2点差以上の差がついた試合が1試合しかない。この世代でも差が小さく、1点差のみという形がメキシコの場合は多いが、明日の試合を決定づけるポイントは。
「データを示していただきありがとうございます。まずはメキシコのような強豪国と日本のサッカーの成長を考えた時に、拮抗した試合ができるようになってきているというところ、肩を並べられるようになってきているというところを、日本のサッカーの成長ということで、選手たちの頑張りと、そして指導者の皆さん、普及・育成からつないできてくださっている指導者の皆さんや関係者の皆さんと共有して、自信を持って明日の試合にも臨みたい。気持ちだけではもちろん試合は勝つことはできないが、中2日の6試合目ということで、かなり消耗戦になると思うし、銅メダルへの気持ちが強い方が試合に勝つのではないのかなと思っている」

(取材・文 折戸岳彦)
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