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終始険しい表情の吉田麻也、W杯連続出場を「このチームで途切れさせるわけにはいかない」

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中国戦に向けて調整するDF吉田麻也

 W杯アジア最終予選第2戦・中国戦を翌日に控え、カタール・ドーハに遠征中の日本代表DF吉田麻也(サンプドリア)がオンライン取材に応じた。取材では最初から最後まで険しい表情。2日の開幕戦でオマーンに0-1で敗れた重苦しさをあえて噛みしめ、自戒を込めつつ、自分自身にもチーム全体にも気の緩みに近いものがあったことを指摘した。

「オマーン戦では切り替えや球際、セカンドボール。初歩的なことがうまくできていなかった。そこにもしかしたら2次予選の延長だとか、親善試合の延長のような雰囲気があったのかもしれない」

 オマーン戦直後に示唆していた「森保監督との話し合い」は既に行ったという。「戦術的な話と精神的な話に大きく分けて話をした。僕だけではなく、監督はいろいろな選手と話をして吸い上げてくれている。僕も他の選手と話していろいろなことを吸い上げるようにしている」と明かすと、具体的な中身についても言及した。

「隠すことはありません。何より切り替えのところを早くしたい。そこが僕らの生命線。それがないとカウンター対策も2次攻撃も始まらない。もう一度そこをやろうという話をしている」

 中国の攻撃の核となっているFWウー・レイ、帰化選手のFWエウケソンは日本にとって馴染みのある選手で、情報量は多い。彼らの特長自体は把握できているはずだが、今回の中国には初戦のオーストラリア戦で最後まで温存した他の帰化選手もいる。「交代枠が5枚あるので、そこをうまく使ってくるのではないかと思っている。アジアでは一回のカウンターを準備してるチームが多い」と警戒を強める。

 日本は98年フランスW杯に初出場してから前回のロシアW杯まで、6大会連続でW杯に出場している。「フランスW杯に出てからずっと先輩たちが必死に戦って掴み取ってきたものだと思っている。それは僕自身も体験していること。この流れをこのチームで途切れさせるわけにはいかない」と力を込めて言う。

「前回(の最終予選の初戦で)負けたときは(W杯に)行けないんじゃないかというプレッシャーがすごく強かったが、それを自分たちの力に変えることがができた。大切なのは2試合目からギアを上げて本来の姿を取り戻し、勝ち点3を取ること。負ければ外野が騒がしくなるのは当たり前だが、僕は十分巻き返せると思っている」

 自分たちを信じるのみ。厳しい表情を変えないまま、宙をにらみつけるように言った。

(取材・文 矢内由美子)

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