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前回サウジ戦はボール支配率23.7%…「サプライズではない」と語っていた酒井宏樹が示す“改善点”

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 前回の活動を途中離脱した日本代表DF酒井宏樹(浦和)が、強敵との連戦で帰ってきた。所属先の浦和レッズでは前回の活動後、J1リーグ戦4試合に先発出場。それでも「不安は全くない」と言い切り、普段どおりの姿勢で挑んでいく構えだ。

 日本代表は9月、カタールW杯アジア最終予選初戦のオマーン戦に0-1で敗戦。酒井自身も1対1で何度も抜き去られるなど、安定したパフォーマンスを発揮することはできず、試合後にオーバーワークが考慮され、第2戦の中国戦に向けたカタール遠征への帯同を回避した。

「試合が立て込んでいたけど、立て込んでいるのはもうここ9年くらい、代表に選んでいただいてから変わりがないので、僕自信は普通にやっているつもりだった。チームとして結果も伴わず、内容も伴わなかったことで、露呈してしまったこと。個人としてはできると思って臨んでいた」。

 5日のオンライン取材対応でそう振り返った酒井は「チーム全体でコンディションが良くなく、逆にオマーンのコンディションが良かった。一発勝負でプロ同士のサッカーの試合なので何が起こるかわからないし、勝敗が伴わなかったというだけのことだと思う」と述べ、目前に迫る2連戦に向けて気持ちを切り替えていた。

 今回のシリーズ最初の相手はサウジアラビア。森保ジャパンにとっては、2019年1月のアジア杯決勝トーナメント1回戦で対戦し、ボール支配率23.7%という苦戦を強いられた相手だ。

 それでも酒井はアジア杯の試合後、取材対応の場で淡々と試合を総括。「サウジアラビアはボール支配率が高い。この大会はすべて70%ぐらいあった。カウンターに懸けていたし、全然サプライズではなかった」と冷静に振り返っていた。

 この日の取材対応でもそうした視点は変わらず、あくまでも「勝つために試合をしていた」という普段どおりの姿勢を貫いた。

「いろんな方に劣勢だった、圧倒されたという意見は受けていたけど、トーナメントだし先制していたので、無理に前に出ずに、カウンターで攻めようという印象だった。ボール支配率はもともと向こうが多いのは分かっていたことだったので、加味して試合を進めていた」。

 その一方、酒井はアジア杯での対戦後に「ただ、課題は残っている。守備に力を注ぎすぎて、後半は疲れて攻撃ができなかった。前が悪いわけじゃなく、守備の時間が長くなって、1-0のまま行きたいというのもあった」と葛藤も明かしていた。

 そうした課題感は今回も大きなテーマとなりそうだ。

 この日のオンライン取材で「守備に対する比重が高かったぶん、守備は安定していたけど、前線もかなり頑張ってプレスバックしてくれた。ただカウンターに向かう時にエネルギーがなかったのは事実」と振り返った酒井。勝ち点3が求められる最終予選での再戦に向けて「今回どれだけ改善できるかというのが大事だと思うし、チームとして共有したい」と改善を誓った。

(取材・文 竹内達也)
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