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吉田麻也が語った“責任を取る覚悟”の真意「そんな不甲斐ない結果になったら…」

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敗戦にうつむくDF吉田麻也

[10.7 W杯アジア最終予選 日本0-1サウジアラビア ジッダ]

 チーム宿舎に戻ってからオンラインで取材に応じた日本代表DF吉田麻也(サンプドリア)は試合直後の興奮も落ち着き、改めて冷静に敗戦を振り返った。

「試合自体が我慢勝負だったと思う。どちらにも小さいチャンス、小さいミスがある中で、一つのミスを突かれてしまった。どっちに転んでもおかしくない試合だったけど、ワンチャンスをモノにしたサウジが勝ちに値したと思う」

 そう結果を受け入れながらも、最終予選は3試合目にして早くも2敗目。サウジアラビアとオーストラリアがともに3連勝で勝ち点を9に伸ばした一方、日本は3位ながらも1勝2敗の勝ち点3でオマーン、中国と並ぶ展開となっている。

 7大会連続のW杯出場へ暗雲が立ち込める中、次戦は12日にホームでオーストラリアと対戦する。前回のロシアW杯最終予選も初戦でUAEに敗れたが、その後は8試合負けなし(6勝2分)で本大会への切符をつかんだ。消化試合となった最終戦でサウジアラビアに敗れ、結果としては2敗しているが、状況は今回と異なる。

 それでも吉田は「前回の予選も2敗している。2敗目は予選突破を決めたあとだったけど、つまり2敗まではできる。そうポジティブに捉えてやっていくしかないと思う」と自分に言い聞かせるように前を向く。12チームが2グループに分かれて争う最終予選のレギュレーションは各組上位2チームがW杯出場権を獲得。各組3位チーム同士がプレーオフを行い、その勝者が大陸間プレーオフに進む。日本としては2位以内が当面の目標となる。

「この負けを経て、2位に入ればいいんだというマインドでいる。1位で行っても2位で行ってもW杯はW杯。まだ7試合ある。僕らも巻き返さないといけないけど、オーストラリア、サウジアラビアも追われる立場としてプレッシャーがある。可能性がまったくゼロになったわけではない」

 試合直後のフラッシュインタビューでは「もちろん批判されることは分かっていますが、まだ終わってはいない。終わったときにジャッジしてもらえればいいと思うし、結果が出なければ協会、監督、選手も責任を取る覚悟はできていると思う」と話していた。オンライン取材では、その真意について聞かれる場面もあった。

「サッカーの監督やダイレクターは結果が出なければ、いつクビが飛んでもおかしくない。選手はどちらかというと契約に守られているところもあるけど、代表チームに関してはそういうものがない。監督が代われば、組織が変われば、選手も変わる。万が一、予選敗退して、このチームの活動が終わってしまうのであれば、おそらくガラッと入れ替わることになるだろうし、自分自身もそこが区切りになる。そんな不甲斐ない結果になったらすっぱりやめようと思う」

 予選敗退に終われば、自分自身も代表を引退する。選手として背負うには重すぎるほどの責任と覚悟をあえて口にしたキャプテンは「W杯本選と予選は別物。そのためにも予選を通らないといけない。そこが僕らが直面している問題。次のオーストラリア戦から1試合1試合、丁寧に勝っていくだけ」と力を込めた。

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